Circulation - Camera

Since 2017-05-01

NIKKOR Z 20mm f/1.8 Sを作例を交えてレビューします! 〜星景から人物からマクロ的なものまで〜

~Introduction~

こんにちは、Circulation - Cameraです。

皆さんは超広角レンズを使っていますか??

超広角レンズはなかなか構図の整理が難しいという印象をお持ちの方もおられるかもしれません。特に単焦点の超広角レンズともなるとニッチなレンズとされることも少なくないかもしれませんね。

 

でもほら、iPhone 11proのようなスマートフォンでも超広角単焦点レンズが採用されているように意外と需要があるんですよ、超広角レンズ ( ̄▽ ̄;)

(`・ω・´) < ちなみにiPhone 11proの超広角は13mm相当らしいです。

 

え?

この記事を書いている自分はどうか?

私は結構星とかも撮る人間ですので単焦点の超広角レンズは使い慣れている方だと思っています。NIKON D850がメインカメラの自分は超広角レンズとして長らく、

Carl Zeiss Milvus (Distagon) 2.8/15mm

Carl Zeiss Milvus (Distagon) 2.8/21mm

の2本のレンズを使用してきました。

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この2本のレンズを駆使して多くの撮影を楽しんできたものです ( ̄▽ ̄)

Carl Zeiss Milvus (Distagon) 2.8/21mmの作例 (Kenko Pro-Softon filter使用)>

DSC_7652oのコピー

現在使用しているCarl Zeiss Milvus (Distagon) 2.8/21mmは非常に優秀なレンズで文言通り開放からガンガン使えるレンズなのですが、どうしても星を撮影していると「もっと明るいレンズが欲しいんだよなぁ…」という下心が出てくるものです ^^;

そんな自分にとってZマウント初の超広角単焦点レンズであるNIKKOR Z 20mm f/1.8Sは非常に興味深い存在でした。

また、2020年6月現在、我が家には1歳児と0歳児がおります。21mmで撮り慣れている経験から、20mmなら超広角とは言え歪みが少ないという印象を持っていましたので、ポトレ目的にも使えるかもという期待もありました。

ということで!

発売日に購入!!

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結論から申しますと、現代的で素晴らしい完成度のレンズです。3か月ほど使用してみましたので、ちょっと気合い入れてレビュー記事を書いてみました。…気合い入れすぎて5000字近い長い記事になってしまいましたが、興味のある方は良かったら見て行って下さいませ💦

それではよろしくお願いします m(_ _)m

 

 

~超広角レンズの「見どころ」~

超広角レンズを評価するときには以下のようなポイントが重要視されるかと思います。

① 歪みの少なさ

② 周辺画質

③ 逆光耐性

④ ボケの性質

それぞれについて作例を交えてレビューしてみたいと思います! 

 

~(1) 歪みの少なさ~

Z6 + NIKKOR Z 20mm f/1.8 S, ISO 100, F 8.0, SS 1/100 sec

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歪みの少なさを評価するときにはビルのような人工物を撮るのが一番手っ取り早いです。この写真を見て頂ければわかる通り、歪みはほとんど目立たないと思います。線が線として描写されていますね。

JPEG撮って出し・歪み補正はかけておりません。

<左上>

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<右下>

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このくらい歪みが少ないレンズであれば四隅に人物を配置しても問題ないので気楽にパチパチ撮影ができて良いですよね!

Z6 + NIKKOR Z 20mm f/1.8 S, ISO 800, F 5.6, SS 1/50 sec

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写真左側の一部を拡大してみます。

周辺に映り込んだ人物も歪みは全く目立ちませんよね。

f:id:tatsumo77:20200614212803j:plain



 

~(2) 周辺画質~

近代型のレンズですから開放から中心部が良く写るのはもはや当たり前です。ほとんどのレンズは周辺画質だって絞れば充分に良くなります。

やはりレンズの光学性能をシビアに評価しようと思ったら開放付近での周辺画質がどうかという点は気になります。これを評価しようと思ったら星空を撮るのは良い方法です。

Z6 + Nikkor Z 20mm f/1.8 S, ISO, F , SS

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周辺減光は流石に目立つように思います。さて、肝心の星の写りはどんなもんでしょうか。周辺を拡大して確認してみましょう。

<左上>

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<右上>

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コマ収差補正収差がとても優れていると感じました。開放F1.8からこの描写性であれば非常に優秀な性能であると言って差し支えないと思います。

もう一枚、開放付近で撮影した写真を載せておきます。Flickrでアップしておりますのでクリックして拡大して頂くこともできます ^^

Z6 + Nikkor Z 20mm f/1.8 S, ISO 2000, F 2.0, SS 13 sec

DSC_3674

 

~(3) 逆光耐性~

超広角レンズを日中に使用すると太陽がフレームインすることがままありますし、夜景を撮影するときに光源が構図に入ることも多いですから逆光耐性も重要なポイントです。

こちらは以前アップした鯉のぼり写真です。ゴーストはほとんど見られず、フレアも感じさせず解像感ばっちりです。逆光耐性は非常に良好ですね。

※逆に出したくてもゴーストが出せないくらいでした ^^;

Z6 + Nikkor Z 20mm f/1.8 S, ISO 160, F 13.0, SS 1/640 sec

DSC_3685 with sig

 

 

~(4) ボケの性質~

「超広角レンズなのにボケが重要なの?」

重要なのです (´・ω・`)!

超広角レンズと言うのは最短撮影距離が短く被写体に寄りやすいのです。そういう使い方をしたときピント面以外は大きくボケます。また、せっかくの開放F値1.8という大口径レンズなのですから、構図を整理するために主題以外をぼかす表現はしょっちゅう使いますからボケの性質というのは大変気になるものです。

Z6 + Nikkor Z 20mm f/1.8 S, ISO 100, F 2.8, SS 1/250 sec

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この写真はF 2.8で長男君を撮影したものですが、十分に背景がボケて人物が浮き上がっています (それでいて魚眼レンズを使用したときのような歪みも気になりません)。

標準~中望遠レンズを使用した場合と違って背景がさりげなく状況説明をしてくれますよね。例えば上の写真なら「曇り空」「紫陽花」という要素がアウトフォーカス部分で主張をして、主題である人物を彩ってくれています。

おっと、ボケの質の話でしたね。石段や木棚のだんだんとボケが強くなっていく様は自然ですよね!そして背景の木々の重なり合いも充分にうまく処理してくれていると思います。

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だんだんとボケていく様子

ちなみにこのレンズの最短撮影距離はなんと20 cm!!さらにググっと寄ればマクロレンズ…とまでは言いませんが花撮りやブツ撮りにも重宝します。

※最大撮影倍率は0.19倍です

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こちらは桜の花にピントを合わせてみました。

Z6 + Nikkor Z 20mm f/1.8 S, ISO 280, F 2.8, SS 1/1000 sec

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枝の重なり合う最高級に意地悪な背景ですね。しかし2線ボケも抑えられ上手に整理しているように感じます。

【① ボケの性質は結局どんな感じ?】

ここまでの作例を見て頂いてお判りいただけたかと思いますが、オールドレンズのようなふんわりとしたボケではありません。少し硬調な印象を持たれるかもしれませんね。これはレンズの解像感を大切にした近代的なレンズに多く見られる傾向です。

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しかしボケの性質としては充分満足しています。ボケ方はなだらかですし2線ボケもそれほどは目立ちません。また、超広角レンズですがアウトフォーカスの周辺の流れもそこまで気にならない点も評価したいです ^^b

【② 玉ボケはどんな感じ??】

玉ボケの作例も気になりますよね!試しにテストしてみました。

Z6 + Nikkor Z 20mm f/1.8 S, ISO 2500, F 1.8, SS 1/100 sec

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これ、自分で撮ってびっくりしたのですが、玉ボケきれいすぎませんか? ^^;

口径食をほとんど感じないのは素晴らしいと思います。

※口径食とは玉ボケが下の写真の左上のようにレモン型になる現象です (この写真はNIKKOR Z 20mm f/1.8 Sではないレンズで撮影したものですのであしからず)。

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こちらは水槽のクラゲにピントを合わせて背景を玉ボケさせてみました。これだけ玉ボケが素直ならイルミネーションの時期にも重宝しそうですね♪

Z6 + Nikkor Z 20mm f/1.8 S, ISO 3200, F 1.8, SS 1/100 sec

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開放からばっちりピント面は解像して玉ボケがこんなに綺麗。。。

これだけでもこのレンズを欲しくなってもおかしくないと思いますよ ( ̄▽ ̄)

 

 

~ここまでのまとめ~

① 歪みの少なさ

② 周辺画質

③ 逆光耐性

④ ボケの性質

以上の4点を作例を交えて評価してみました。いずれも隙が無く完成度が非常に高いレンズであると感じました。

 

 

~スペックを見てみよう!~

さて、続いてこのレンズのスペック面をいくつか見てみましょう。

<フィルター径 77 mm>

フィルターが装着できるというのはメリットですよね~。しかも77mmという比較的普及しているサイズのフィルターというのはありがたいです。星撮影時にソフトフィルターや光害カットフィルターを、日中の撮影時にPLフィルターやNDフィルターを装着しようとした時など助かります。

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<重さは505 g>

軽いですね。先に発売された超広角ズームレンズのNIKKOR 14-30mm f/4 Sが485 gですからほぼ同じ重さです。ちなみにMilvus 2.8/21mmは735 gです。

オートフォーカス

これに関しては「瞬速」という言葉がふさわしいでしょう。しかもミラーレス機用のレンズですから瞳オートフォーカスなども可能ですからポトレ撮影時には大変助かるポイントです。

 

 

~このレンズの欠点~

驚くほど優秀で、光学性能的にはほとんど欠点のないレンズだと思います。敢えて欠点を言えばレンズフードのハマりが甘いという点。カチッとしっかりロックされないので、油断していると斜めになってケラレが発生してしまいます ^^;

あとは「防塵防滴に配慮した造り」という少し歯切れの悪い表現は気になります。また、使用できるカメラが2020年6月現在でZ6, Z7, Z50の3種類しかない点も欠点と言えば欠点かもしれませんね。

 

 

~GALLERY~

そろそろこの記事も終盤です。最後にまとめがてら本日アップした作例をいくつかピックアップして一言コメントともに振り返ってみます。

〇超広角レンズですが歪みが目立ちません。

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〇開放から点の解像度が優れているようなので星景撮影に重宝しそうです。

DSC_3674

〇一方、かなり被写体に寄れるので花撮りや物撮りにも良いかもしれませんね。

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〇 また、硬調な印象こそ受けましたが玉ボケ含めボケの質はよろしいと感じました。

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オートフォーカスが素早く、大口径レンズなので背景も十分にボケさせられて、人物撮影にも適していると感じました ^^

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〇逆光耐性しっかりしているのであらゆる場面で安心して使えます。

DSC_3685 with sig

 

 

~総括!~

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長い記事でしたが読んで下さった方、ありがとうございます&お疲れ様でした。

はじめにも書きましたように超広角の単焦点レンズと言うと敬遠されてしまう方も多いかもしれません。しかし、20 mmという焦点距離は風景にもポトレにもなんちゃってマクロにも使用できる意外と融通の利くものなんですよ。そして同じ場面を撮るにしても絞って被写体からちょっと距離を撮ればパンフォーカスをすぐに実現できますし、開放付近にして被写体にちょっと寄ればボケ表現も楽しめます。

つまり、このレンズは焦点距離20mmで開放f1.8という一粒で二度も三度もおいしい焦点距離と開放F値を有しており、その光学性能も隙のないものだと3か月間使用してみて実感しました。

最後になりますが、このレビューがどなたかの役に立ってくれたら幸いです。

それでは今日はここで失礼いたします m(_ _)m

 

 

~おまけ:無限遠にピントが合う条件~

今回の記事の最後に書きましたが、パンフォーカス表現も背景をぼかした表現も気軽に楽しめるのが大口径超広角レンズの魅力の1つです。

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左は無限遠までピントが合っています。右は背景はボケています。

無限遠まで民都が合っているようにするためには「ピント位置が過焦点距離よりも遠くであればOK」です。

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焦点距離 (単位はmm) は、

(焦点距離)^2 / (許容錯乱円×F値)

で計算できます。仮に許容錯乱円を0.03として計算しますと、

【F 1.8】20×20 / 0.03×1.8 ≒ 7.4 m

【F 4.0】20×20 / 0.03×4.0 ≒ 3.3 m

つまりF 1.8でも7.4 mよりも向こうにピントを合わせればそれ以上遠くの被写体は全てピントが合うようになる理屈です。

 

 

~関連リンク~

同じくZマウントレンズの望遠可能な超広角レンズNIKKOR Z 14-30mm f/4 Sのレビュー記事です。