Circulation - Camera

巡る季節を写真に残す! ~Since 2017-05-01~

Adobe Lightroomの新しいノイズ除去機能、結構凄い!

~Introduction~

こんにちは、Circulation - Cameraです。突然ですが写真のノイズっていうのはなかなか厄介な問題ですよね。写真を撮影するときは充分に撮像素子を露光するのが理想です。

しかし!実際には暗い環境で手振れしないようにシャッター速度を速くせざるを得なかったり、動きモノを撮影するときに被写体振れを防ぐためにシャッタースピードを速くせざるを得なくなることは少なくありません。

(`・ω・´) < つまり露光不足にならざるを得ないことがある。

Z6Ⅱ + NIKKOR Z 50mm F1.2/S, ISO 5000, F 1.2, SS 1/2000 sec

DSC_6773

例えばこの写真は夕暮れの暗い環境で走行中の新幹線を狙いましたので充分に撮像素子を露光させることはできませんでした。そういう時はISO感度を上げて鑑賞に値する明るさに信号を増幅させるのです。

このようにISO感度を上げて発生するノイズを「高感度ノイズ」と言います (※1)。本来露出アンダーな写真を鑑賞に耐える明るさまで持っていくときに発生する副産物のようなものですね。これの対策としてデジカメ内でノイズリダクションをさせたり、自分自身でRAW現像の際になんとかノイズを減らせないか試行錯誤したりするのです。

 

~ノイズリダクション~

そうしてなるべくノイズを目立たないようにするのですが強引なノイズリダクションをするとノペっとした仕上がりになってしまいます。作例で解説しましょう。

例えばこの写真を拡大してみます。この記事のために敢えてISO 51200で撮影しています。ちなみに機種はZ6Ⅱ。拡大するとザラザラしているのが分かりますよね。

ノイズ除去しないとこのくらいのザラザラ感でございます。これに対してLightroomでノイズ除去 (※2) をかけるとこうなります。

<適応量50>

<適応量100>

適応量50よりも100の方がノイズは取れていますがディテールも一緒に潰れてノペっとした感じになりますよね。そういうことでございます m(_ _)m

 

~新しいノイズ除去機能~

さて、そんなノイズ除去機能。2023年4月のアップデートでAdobe Lightroomに新機能が搭載されました!平たく言えば「AIが頑張って今まで以上にノイズを除去してくれるんだよ!」という機能です。この記事ではAI-NRと記載します。

実際に使ってみましょう。まぁ、タイトルの通り結構凄いんですよ。同じ写真ばかりでは飽きてしまいますので今回はこの写真を使ってみましょう。

ベンチのところを拡大して従来のノイズリダクションとAI機能を比較してみます。

<従来のノイズリダクション適応量50>

<AI-NR適応量50>

どうですか!?かなり上手にノイズ除去できています。ブログサイズだとここまで拡大しても伝わりにくいかな💦

でも岩肌とか草の質感とかずっとくっきりしていますよね。ちなみに星撮影する人間としては星空の再現性が結構気になります。並べてみましょう。

<ノイズリダクションなし>

<従来の方法 適応量50>

<AI-NR適応量50>

星をノイズと勘違いして消してしまうことはなさそうです。その上で従来の方法よりもノイズ除去ができていて空がとてもクリアでいい感じです。カラーノイズや熱ノイズを星と勘違いするリスクはゼロではないように思います (※3) けど、まぁまぁうまいことやってくれていると思います。

 

~方法とかかる時間~

なんか順番が逆になってしまった気がしますがやり方を紹介します。Lightroomを立ち上げてこの赤丸で囲った部分をクリックします。

すると下のウィンドウが立ち上がります。

あとは適応量を選択して「強化ボタン」をポチるだけです。

超簡単ですね!ちなみにかかる時間はお使いのパソコンやRAWデータの重さに左右されます。だいたいの予測時間も赤丸で囲ったところの左上に表示されてますよね。ちなみに自分の5年くらい前に購入したデスクトップですと、Z6Ⅱの星景写真で1-2分、Z 9の星景写真で3-4分くらいかかりました。

 

~もう一例~

最初にアップした作例のもノイズリダクションしてみます。せっかくなのでクイズです。1枚はAI-NRで仕上げたもの。もう1枚は従来のノイズリダクション適応量100で仕上げたものです。おそらくノイズは同じくらい少ないと思います。ディテールのしっかり残っている方がAI-NRで仕上げた方です。どっちでしょうか?

<A>

<B>

答えはBでした!ブログサイズだと分かりにくいですかね ^^; でも目の周りとかフクロウさんの乗っている木のディテールとかはだいぶAの方が潰れていると思います。

 

~考え方が変わってくる~

ノイズ除去機能は日進月歩。私が14年前に初めてデジタル一眼レフを買った時とは比較にならなりません。今後もどんどん進歩していくことでしょう。そうなってくるとカメラの買い方も変わってくるかもしれませんね。高感度に強いという理由でセンサーサイズの大きいカメラを選択する必要が無くなってきたり、望遠レンズも解放F値よりも小型さを重視したりするようになったり

あ、ちなみに今回の機能はRAWデータにしか適応できません。なのでRAW現像が良く分からない方も、できるだけRAWデータをちゃんと残しておいた方がいいんじゃないかなと思います。

 

~おわりに~

ということで今回はAdobe Lightroomの新しいノイズリダクション機能の紹介でした!簡単な機能なのでLightroomユーザーの皆様は是非お試しあれ!

それでは今回はここで失礼します m(_ _)m

 

~注釈~

※1.) 高感度ノイズにはさらに輝度ノイズとカラーノイズが含まれます。また、熱ノイズという撮像素子が帯びた熱が発生させるノイズがあります。これら全てに今回のAI-NRは適応されます。

※2.) 従来のノイズリダクションの輝度ノイズリダクションをかけています。

※3.) この写真でもおそらく熱ノイズと思われるものをノイズと判断できず消せていない部分があります。

 

 

~関連リンク~

今回の記事では都合上、ISO感度を上げてノイズが乗ることは悪いことのように書いてしまいましたが手振れや被写体ブレをするくらいならノイズが乗った方が100万倍マシです。これはそんなことを語った記事でございます。

露光量ってそもそも何!?という方はこちらをどうぞ!

ノイズリダクションでノペっとした感じになるのを逆手に取った星撮影方法です。結構得意技なんですが、最近こういうの撮ってないなぁ ^^;

tatsumo77.hatenablog.com