Circulation - Camera

巡る季節を写真に残す! ~Since 2017-05-01~

星空をボケさせて幻想的な背景にした写真の撮り方

こんにちは、Circulation - Cameraです。今日の記事では前回載せたこの写真のように星空をアウトフォーカスにして背景とした写真を撮るときの自分なりのコツをまとめてみました。

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またずいぶんとニッチな話だと我ながら思いますが、あまり長くならないように2000字程度にまとめてみましたので、興味のある方は良かったら見ていってください。それではよろしくお願いします m(_ _)m

 

~必要な機材~

カメラ本体は一眼レフでもミラーレスでも問題ありません。センサーサイズも一般的に高感度耐性が優れるとされるフルサイズが有利ですが、APS-Cでもm4/3でも撮影できます。これと記録メディア充電した電池三脚&雲台明るいレンズが必需品です。要はスタンダードな星撮影用の機材なのでそんなに特別なものは必要ありませんね。あとはしっかりした防寒具や懐中電灯は用意しておきましょう。リモートレリーズは推奨しますが無ければセルフタイマーでも大丈夫です。

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レンズは焦点距離50mm~100mmの明るい単焦点レンズがおすすめです。20mm~35mmのような広角レンズになると相当被写体に寄らないと星空が大きくボケないので難易度が上がります。例えば下の写真は28mmで撮影していますがボケの存在感を目立たせるのに苦戦した記憶があります。

DSC_3995_00001のコピー

 

 

~光害カットフィルター~

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光害カットフィルターは街明かりを吸収してくれる便利なフィルターです。星空って低い位置の方が街明かりの影響を受けるものです。

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なので超広角レンズで星空を大きく写すときには気にならない光害も標準~中望遠レンズでは結構目立つ可能性がありますので個人的には推奨したいフィルターです。例えば下の写真は光害の影響で星が飲み込まれてしまっていますね

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~撮影場所~

実はこれが一番難しくて星空とコラボさせる被写体を見つけておく必要があります。こればかりは事前に日中にロケハンして探しておくか、他の方の撮影された写真を参考にグーグルマップでロケハンするしかないと思います。

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逆に場所さえ目星がついていれば撮影自体は全然難しくありません。三脚をセットし被写体にマニュアルフォーカスでピントを合わせて、手振れ補正関係はオフにして撮影するだけです。

D850 + Carl Zeiss Milvus 1.4/85mm, ISO 1000, F 2.0, SS 10 sec

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 ~設定のコツ~

まずF値ですが、解放F値で馬鹿正直に撮影するのが一番ボケを大きくさせる方法です。ただし、ぼかした星の形はF値によって変化しますので、いくつかF値を変化させて撮影して好みのボケの形になるF値を探しましょう。この時間は結構楽しいですよ ^^

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ボケの形に注目。これは電飾をボケさせた写真ですが、レモン型になったり角が立ったり、F値によって点光源のボケの形は変化しますので納得するF値で撮影しましょう。

次にSSですが、ISO感度を上げまいとして長時間露光しすぎると星が動いてしまいますので注意してください。古典的に言う「500 ÷ 焦点距離 (sec)」を基準にすると無難です。例えば焦点距離50mmの場合500 ÷ 50 = 10 secを目安にしましょう。最後にISO感度は実は結構どうでもいいのです。それはあとで説明しますね。だいたい結果論としてISO 1600~6400で落ち着くことが多いと思います。

あと、暗い場所で撮影しているときは瞳孔が開いていて背面液晶が明るめに見えてしまいます。なので気持ち明るめに撮影しておくといいかもしれません。

 

 

~RAW現像~

この星をぼかす写真を撮るときは必ずRAWデータを残してください。現像するときに、個人的には「白レベル・シャドウ・ハイライト・コントラスト・ホワイトバランス・(自然な)彩度」の項目をちょこちょこ弄って露出を調整します。個人的にLightroomならカスミの除去パラメータも隠し味に触りますが、何にせよ難しい作業は必要ありません。

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こちらは明るさ調整前の状態です。

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明るさやコントラストを調整するとこんな感じになります。

さしものRAW現像とはいえ、高めのISO感度で撮影もしていますし結構ノイジーになります。

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で、ここでノイズの軽減を思いっきりかけてしまいます。ノイズ軽減を強くかけると立体感やディテールが損なわれるのですが、このような背景に立体感は要求されませんし、むしろのっぺりした感じのほうが幻想的な印象が得られます。

(`・ω・´) < だからRAWデータが欲しいのです!!

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下の2枚でノイズ低減のbefore afterを比べてみてくださいませ。

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〜完成品〜

完成品はこちらです。Flickrにアップしておきますのでクリックしたらアップで見れますよ ^^

D810 + Sigma 105mm F1.4 DG HSM, ISO 1600, F 2.0, SS 5 sec

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~おわりに~

ということで星空をぼかして背景にする撮影方法の紹介でした!ニッチな内容でしたなぁ、自分で言うのもなんですが ^^;

けどアウトフォーカスにした方が星が大きく写るので星の色もはっきりして綺麗なので良かったらお試しください!

本文中にも書いた通り、50-100mmが使いやすい焦点距離ですが、広角レンズで思いっきり被写体に寄って撮影したらどうなるのか、記事を書いてて気になりましたので、今度やってみようと思います♪

では、最後になりますが何かご質問などございましたらコメントにお願いします。それでは今回はここで失礼いたします m(_ _)m

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〜関連リンク〜

点光源のボケの形状はなかなか奥が深いものがあります。写真のボケについてまとめた記事です。

RAW現像ってなんだか難しそう、という方はよろしければこちらをどうぞ!

光害カットフィルターの紹介はこちらから~。

tatsumo77.hatenablog.com