こんにちは、Circulation - Cameraです。先日新潟で久々に星空を撮影してきたのですが、その時に初めて「光害カットフィルター」というものを使ってみました!
光害というのは要するに街明かりですね (快適に生きていくのに必要な街明かりなので光「害」と呼ぶのは憚られるという意見もありますが、本記事では光害と呼ばせて頂きます)。
街明かりのある方向を向いて星空を撮影したことがある人なら分かると思いますが、街明かりの影響を受けると夜空はオレンジ色に色被りしてしまいます。
例を出してみたいと思います。山梨県朝霧高原で撮影した下の写真。ホワイトバランスの影響もありますが、結構激しくオレンジ色の色被りが出ています。結果、透明感のある星空になっていないことがお判りいただけるかと思います。
もちろん、下の写真 (秩父の山奥で撮影) のように光害の少ない環境で撮影できれば良いのですが、毎回そういうわけにもいきませんよね💦
そんなとき、色カブリを低減し、自然な色再現が可能にしてくれるフィルターがあったら使ってみたいと思いませんか!?それが光害カットフィルターなのです。
以前からこのフィルターの存在は知っていたのですが、Kenkoから2019年4月にStarry Nightというフィルターが発売されたので良い機会だと思い、この度初挑戦してみました♪
ということで初めて使用した感想を記事にしてみましたので、興味のある方は見て行ってやって下さいませ ^^
~効能効果~
いきなり結論のような検証なのですが、ずばりフィルターあるなしを比べてみましょう!いずれもD850 + Crl Zeiss Milvus 1.4/25mm, ISO 3200, F 2.2, SS 20 secで撮影して見ました。
<フィルターなし>
<フィルターあり>
明らかにフィルターを使用している写真の方が色被りが少なく、フィルターの効果をさっそく実感することができました♪
~理屈~
この光害カットフィルターは古典的な街明かりに多く含まれる水銀灯やナトリウム灯の波長の光を透過しにくくするような物質をミックスしたフィルターであります。KenkoさんのHPからグラフを拝借しましたが、ナトリウム灯や水銀灯から発生する波長の光の透過性がびろ~んって下がっているのが分かります。
※350nmや750nm以降も透過性が低いですが、可視光の域を超えているので気にならないのだと思います。
また、従来のASTRO LPRなどのKENKOさんの光害カットフィルターは、超広角レンズで使用する場合、フィルターに斜めから光が侵入してくるため色ムラが起こりやすいという問題点があったようですが、このStarry Nightはそういう問題も比較的生じにくいとも書かれています。
( ̄▽ ̄) < 超広角を多用する星景写真にはありがたし!
~光量低下に注意~
ただ、このフィルターを使用していると光量低下が少し気になりました。街や高速道路からの距離や薄雲が出ているかどうかにも左右されそうですが、何カットか撮影してみて体感で1段前後減光されるような印象でした。
そして、結果的に周辺光量落ちも目立つ傾向にあるようでした。
D850 + Carl Zeiss Milvus 1.4/25mm + Kenko Starry Filter + Kenko ProSofton, ISO 3200, F 2.0, SS 20 sec
他にも、光量低下以外に光害カットフィルターの注意点として、諸先輩方のページを見ていると星や星雲のカラーバランスに影響を与えてしまうことが懸念されるようでした。恥ずかしい話、自分はそこまで星空マニアではないのでピンときませんでしたが、天体ファンの方には憂慮すべき要素なのだろうと思います。
~都市夜景にも♪~
そうそう、ちなみにこのフィルター都市夜景撮影にも効果がありそうです💡
自分自身ではまだ検証をしていませんが、KenkoのHPを見る限り、都市夜景を撮影する場合の空もすっきりとさせてくれるようですよ ^^
下の比較写真の上部に着目してみて下さい。
~円形フィルターである~
あと、地味なことかもしれませんが、円形フィルターだということは使いやすくて良いですよね。どうしても角形フィルターだとハードルが上がりますから💦
また、今回の新潟星撮影ではソフトフィルターも重ねて使用しましたが、特に問題なく使用できました。重ねるとケラレが心配になりますが、最大で焦点距離35mm換算で21mmまではケラレることなく使用できました💡
D850 + Carl Zeiss Milvus 2.8/21mm (+ Kenko ProSofton + Kenko Starry Night), ISO 10000, F 2.8, SS 30 sec
~まとめです!~
・光害カットフィルターであるKenko Starry Nightを初めて使用しました。
・その効果は使用してすぐに実感することができました。
・ただし、光量落ちや星や星雲のカラーバランスへの影響には要注意なようです。
・一方、星撮影だけでなく都市夜景撮影でもある程度効果が得られそうです。
・そして円形フィルターなので着脱簡単で使いやすいフィルターだと感じました。
~作例紹介~
最後に新潟で撮影してきた作例を3枚ほどアップしますね。完全な新月でしたので風景と一緒には撮影できませんでしたが、久々の夜撮影を新しいフィルターと一緒に楽しむことができました ^^
<作例1>
夜明け直前でほんの少し青みを帯び始めた夜空を光害の影響少なくクリアに捉えることができました ^^
D850 + Carl Zeiss Milvus 1.4/25mm + Kenko Starry Filter + Kenko ProSofton, ISO 6400, F 2.0, SS 20 sec
<作例2>
単純に星空を切り取ってみましたが、、、露出足りてないですね、すいません ^^;
明るいところだと良くわからないかもしれませんが、あまり余計な光は映らずクリアな夜空が撮れたと思ったので一応掲載してみました💦
D850 + Carl Zeiss Otus 1.4/55mm + Kenko Starry Filter + Kenko ProSofton, ISO 6400, F 1.6, SS 6 sec
<作例3>
最後にかなり街明かりが目立つ方向を向いて撮影した作例です。
D850 + Carl Zeiss Milvus 1.4/25mm + Kenko Starry Filter + Kenko ProSofton, ISO 4000, F 1.8, SS 20 sec
~おわりに~
新潟で夜空を撮影する際にKenkoさんの新しい光害カットフィルターであるStarry Nightを使ってみましたのでレビュー記事を書いてみました。
実際には街明かりにはLEDの光などもありますし、当然ながらナトリウム灯や水銀灯からの光を完全に遮蔽することはできないですが十分効果が実感できるフィルターだと思いました。
角形ではないので着脱も簡単ですし、星空以外にも都市夜景でも活躍してくれそうなのでこれからもっと活用してみたいと思います。
※2020年9月追記:都市夜景でも試して見ました ^^b
それでは今日はここで失礼いたします m(_ _)m