Circulation - Camera

巡る季節を写真に残す! ~Since 2017-05-01~

2022年、最近のAPS-C機を見て思う。10万円以下のエントリー機って今後必要?

こんにちは、Circulation - Cameraです。最近、CANONからAPS-Cカメラが2台発表されましたね。R7とR10です。NIKONからもZ30というカメラが出るのではないかと最近噂です。そんな最近のAPS-C機をみていてデジイチの「エントリー機」に対して思うところがあり、この記事を書いてみました。

デジタル一眼 (以下、デジイチ) のエントリー機って今後出ることはあると思いますか?特にNIKONCANONSONYから。「いやいやR7もZ50も入門機でしょ?」って思うかもしれませんが、、、やっぱ高くないですか ^^;

できれば10万円以下、いや5万円くらいで購入できるようなエントリーカメラってあって欲しいと思いませんか?今回はそんな記事でございます。

 

~初心者とAPS-C規格について~

御存じの通り、現在多くのレンズ交換式デジカメに搭載されているセンサーサイズは以下の3つです。

・フルサイズ 

APS-C

マイクロフォーサーズ (以下、M4/3)

M4/3は現在、OMDSとPANASONICがラインナップを展開していて、FUJIはAPS-Cと中判カメラ、SONYCANONNIKONはフルサイズとAPS-Cを展開しています。

フルサイズカメラは正直、高い。そしてデカい。とてもじゃないですが、これからカメラを始めようとする人間がなかなか手を出そうと思えるもんではない。なので初心者がSONYCANONNIKONに手を出すとしたら必然的にAPS-C機種ということになると思います。

 

~業界の縮小~

けど、そもそもなんですがデジイチを新しく買おうという人は激減したと感じています。

https://news.yahoo.co.jp/byline/fuwaraizo/20220429-00291783

こちらは内閣府の消費動向調査によるデジカメの1世帯あたりの普及率の推移を示したデータです。2016年ごろの75%をピークに減少傾向にあります。また、CIPAからは以下のようなグラフが公表されています。

これは2020年1月~2022年3月のレンズ交換式カメラの売れ行きです。青色破線は2020年です。コロナの影響で3月くらいからドカンと落ちていますね。そしていったん持ち直しますが2021年と比べて2022年は現在進行形で低下傾向です。
このように肌感覚と同様に新規のユーザーは減少傾向にあるようです。

 

デジイチの必要性~

そもそも、普通の人にとってデジイチはもはや必要ないんですよね。スマートフォン (以下、スマホ) で充分」といいますが、まさにその通り。というかスマホですら機能を持て余すしてませんか?

けど、そんな中でもこれから趣味でカメラをやってみたいという人もいるでしょうし、スマホがある意味エントリー機的な役割になってもっといろんな写真を撮影してみたいと興味を持ってくれる人もいることでしょう。

そんな人たちにとって、デジイチ高すぎませんか?

 

APS-Cカメラのラインナップ~

先ほどの話に戻りますがフルサイズカメラをいきなり買いたいと思える人は少ないと思います。高いんですよ、とにかく。以下は各メーカーのカメラ本体の値段。

※Yodobashi.com調べなのでポイント還元分を考慮して10%引きの値段で記載しています。

見にくいグラフで恐縮ですが各社ともAPS-C機の方がお求め安くなっています。とはいえ、APS-C機種の値段を下のグラフに示しましたがほとんどが10万円を超えています。唯一10万円を切るのがCANONのKISS M2だけです。

ちなみにこれはあくまでカメラ本体の値段であり、レンズや記録メディアなどさらに値段はかかっていきます。かつてはNIKONでいえばD3x00とかD5500のように10万円未満で購入できる機種もあったのに何故無くなってしまったのか。「スマホ」の影響は非常に大きかったように思います。

 

スマホが強すぎる~

常に携帯しているスマホの画質がここまで良くなってしまうと通常のスナップショット (ある瞬間を切り取った写真) や旅行写真はスマホで充分で、敢えデジイチを持っていく必要性は少なくなります。

もちろん自分もデジカメユーザーですから本気で撮影すればスマホに画質で負けることは無いし自在に印象的な写真を撮影したりできることは分かっています。あとから現像でできる処理も多いですしね。

Z6 + NIKKOR Z 14-30mm F/4 S, ISO 100, F 18.0, SS 1/60 sec

162

Z9 + NIKKOR Z 14-30mm F/4 S + C-PL filter, ISO 100, F 8, SS 1/30 sec

しかし、こういう写真って一朝一夕では撮れないんですよね。ある程度カメラの設定やレンズに対する知識がなくてはいけない。

 

~趣味性が高い存在~

つまり何が言いたいかというと「なんでも気軽に撮りたいならスマホで充分」「本気で〇〇を撮りたい!だからこれからお金も時間も多少かける覚悟がある!」という意識が無いとなかなか手が出ないものになっていると思うのです。例えば星空を撮影してみたいとか動き回る生き物をバシッと撮影してみたいとかです。

D850 + Carl Zeiss Otus 1.4/28mm + Partial Soft Filter, ISO 3200, F 2.0, SS 8 sec

DSC_7908

DSC_9987raw

 

~ハイエンドユーザー向きになってしまう~

さらに、今カメラを趣味にしている人たちを手放さない・がっかりさせないようなハイエンドカメラの開発競争は激化しているように感じます。NIKONCANONSONYはフルサイズミラーレス一眼のシェアの争奪戦です。

こちらは少し古いグラフで2020年末までの統計ですがSONY > CANON > NIKONがシェアの分布となっています。これが2022年3月現在ではCANONSONYに肉薄し、NIKONはシェアを落としていますがZ9をきっかけに状況を好転させようと必死です。しょうじきハイエンド機であるZ9があのスペックで出なければNIKONは死んでいたと個人的には思っています。

 

~まとめ:初心者の入り場所は?~

このようにスマホ全盛の現在、デジイチはかつて以上に趣味性の高いアイテムになっていると思います。なので必然的にハイスペック化していきます。実際に新規ユーザーは減っているし今の顧客に満足してもらわなきゃいけないという背景も分かりますので、エントリー機を作るよりもYoutubeとかで初心者がより魅力を感じるようなコマーシャルに力を入れたいという思惑もあるのかもしれません。

それでもやっぱりこれから始めてみたい人向けのキットもあってほしいなぁと思ったりします。それこそ5万円以内でとりあえず揃うスターターキット的なものですね。

今回語った事情もカメラが趣味だから分かることであって、実際には「写真って面白いな、もっといろんな写真を撮ってみたいな」とか「家族が増えたからカメラ買ってみようかな」という人はまだいるはずです。そういった方に気軽に試せるようなキットがあることは良いことだと思います。

 

~おわりに~

APS-C機の新作やその噂をたびたび耳にする昨今、その性能の上昇も楽しみなのですが、ますます初心者に敷居の高い趣味になってきたなぁと思い、書いてみた記事でした。それでは今回はここで失礼します m(_ _)m