~前置き~
最近のカメラの話題として、ミラーレス一眼がホットですね!
ミラーレス一眼は小型軽量であるという大きな強みがあります。また、背面液晶やファインダーに完成形に近い映像が投影されるので、スマホ感覚で撮影できる点も、とっつきやすくて良いですね ^^
2018年3月にはCANONからEOS KISS MというAPS-Cセンサーを搭載したミラーレス機が発売され大変好調な売れ行きです。NIKONからも、 (恐らくフルサイズセンサーを搭載した) ミラーレス機が販売されるのは時間の問題だと思います。
さて、そんなミラーレス機ですが、オールドレンズとの互換性が良いという特徴があることを御存じでしょうか?
互換性があると言っても、マウントアダプターというアクセサリーが必要なのですが、今日はこの「ミラーレス機はなぜ多くのレンズに対応できるのか」という点を解説してみます ^^b
既にご存知の方にはあまり意味のない記事なのですが、自分なりにまとめてみましたので、興味のある方は時間のある時に見ていってやって下さい。
それではよろしくお願いします m(_ _)m
~フランジバックという概念~
そもそもミラーレス機がなぜ小型化できるのかというと、クイックリターンミラーとペンタプリズムが不要だからです。図示します。
しかし、この図をもう一度見ると、ただ小型化しただけではなく、マウント部分から撮像素子までの距離が短くなっていることが分かります。
※マウント部分はカメラ本体とレンズを接合する部分です。
このマウント部分から撮像素子の距離を「フランジバック」 と言います。
この後、何回も出てくる言葉なので覚えてあげて下さいね ^^
まだ話が見えてこないと思いますが、このフランジバックが短いことが、オールドレンズとの互換性を良好にしているのです。
~例えば…~
例えばですが、CANONのEFマウント用レンズをNIKONのFマウントカメラにそのままマウントすることはできません。逆に、NIKONのFマウント用レンズをCANONのEFマウント用レンズにそのままマウントすることもできません。
周知の事実ですよね。
この理由は、マウント径が違うからという理由以外に、レンズのバックフォーカスが違うことにも起因します。バックフォーカスとは無限遠にピントを合わせた際の、レンズ最後端から焦点までの距離です。
分かりやすいように図示しますね。
あるレンズをカメラに装着するときを考えてみましょう。カメラのフランジバックの長さは、レンズのバックフォーカスの長さに対応していないといけません。
下の図を御参照ください。
~ここまでのまとめ!~
さて、ここでクイズです💡
下の図のように、バックフォーカスが長いレンズをフランジバックの短いカメラで使用することは出来ないものでしょうか??
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実はできます!
下の図のように、カメラとレンズの間の距離を延ばせば接続できますよね?
これがマウントアダプターというアクセサリーなのです💡
~逆は無理💦~
逆に言うと、バックフォーカスが長い分にはアダプターで調節できますが、短いとどうにもなりません。
例えば、CANONのEFマウントのレンズはNIKONのFマウントのレンズよりバックフォーカスが短いので、私の知る限り、NIKONのFマウントのカメラで通常使用することはできないはずです。
※詳細は割愛しますが、マクロ撮影ならできたりします。
~ここでミラーレスですよ!~
ここでミラーレス一眼を思い出してみて下さい💡
ミラーレス一眼って、冒頭にお話したようにペンタプリズムやクイックリターンミラーが省略されますから、基本的にあらゆる一眼レフよりもフランジバックが短いです。
ということは、理屈的にはどんな一眼レフ用のレンズでも、適したアダプターがあれば使用できますよね!また、極端にバックフォーカスの短い、レンジファインダーカメラというものに対応したレンズでさえ使用可能なことが多いです。
これが、「オールドレンズとミラーレス機が相性の良い理由」です!
お分かりいただけましたか??
~補足~
逆に言えば、レンズのバックフォーカスがカメラのフランジバックよりも十分に長い場合は、一眼レフカメラでもオールドレンズをアダプターを介して使用できます。
~アダプターはどこで買える?~
ヨドバシでもビックカメラでもアマゾンでも購入できます ^^
例えばこれらは、オールドレンズにしばしば採用される、M42マウントのレンズを規格の違うミラーレス機に接続するためのアダプターです。
~本日のまとめです~
~注意点!~
さて、今日の話はこれで全てですが、最後に簡単にミラーレス機にオールドレンズを装着するときの注意点を載せておきます。
~その①:焦点距離に注意~
オールドレンズの焦点距離は原則として全て35mmフィルムを基準にしています。なので、APS-CセンサーやM4/3センサーを搭載したミラーレス機では画角が変わるので御注意ください。
例えば、takumar 55mm f1.8を、EOS KISS M (APS-Cセンサー機) にマウントすると、55 × 1.6 = 88mmの画角に変化します。当たり前のことですが、一応御注意ください ^^;
~その②:電子絞りではない~
基本的にAモードかマニュアルモードしか使用できません。正確に言うと、オールドレンズには電子接点がありませんから、シャッター速度優先にしてもF値は自動で変わらないので意味がありませんので御注意ください m(_ _)m
F値は基本的に絞りリングでマニュアルで合わせます。
※引用:https://dc.watch.impress.co.jp/docs/review/special/726248.html
※この絞りの表記や設定は結構奥が深くて、説明し出すと長くなってしまいますので今日のところは一旦割愛させて頂きます。
~その③~
あまりそういう事は無いと思いますが、レンズとアダプターの組み合わせによっては無限遠が出なくなってしまうようなケースもあり得ます。
~おわりに~
長文、お疲れさまでした m(_ _)m
昔の自分がそうだったのですが、何となく「ミラーレス機だったらオールドレンズが使えるらしい」としか知らない人が多いと思い、この記事を書いてみました。
これからNIKONからもミラーレスが出ますし、ミラーレスカメラ自体がどんどん進歩していく分野です。そんなミラーレス機の大きな特徴なので、興味のある方の参考になってくれたらうれしく思います ^^b
また、この理屈に関して私が勘違いしていることや質問がございましたらコメント欄に記載して下さいませ。
それではまた次回、よろしくお願いします m(_ _)m
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~注釈~
話しの本筋ではないので、最後に記載することにしたのですが、フランジバックとバックフォーカスは別物です。あくまでフランジバックはマウント部分から撮像素子までの距離で、バックフォーカスはレンズの後面から焦点位置までの距離です。フランジバックとバックフォーカスにはある程度の相関関係はありますが、その長さは基本的に一致しません。
これらを混同している記事、調べてみると結構多いんですよね。。。今日の記事で「これらの長さが同じでなくてはいけない」と誤解されては申し訳ないので、細かいことですが、一応記載しておきます ^^;