こんにちは!相変わらず重量級機材で撮りまわっているCirculation - Cameraです。
そんな私なのですが、先日、親戚の方から、「前のデジカメが壊れてしまったので新しいのを探しているのですが、何がお勧めですか?」という質問を受けました。ちなみにその方は特別カメラに詳しくなくて、単純に日常用や旅行用に購入したいということでした (小さいお子さんもいらっしゃいます)。
カメラオタクとしては、こんな質問を頂戴するとちょっと張り切ってしまうわけですが、ふと思ったんですよね。
「スマホではだめなのか?」
そういえば最近、デジカメinfoでもこんな記事が紹介されていました。
スマホは広く普及していて、それに搭載されたカメラは非常に高機能。そんなスマホ全盛時代において、ライトユーザーにデジカメは必要なのでしょうか?
今日はそんな話題を自分なりに考察してみました。長い記事になってしまい恐縮ですが、もし興味のある方は時間のある時に読んで下さいませ m(_ _)m
それではよろしくお願いします。
~話を始める前に~
まずデジカメの種類に関してですが、
・コンパクトデジカメ (以下、コンデジ)
・ミラーレス一眼
を指します。「レンズ交換できないもの=コンデジ」、「レンズ交換できるもの = ミラーレス一眼&デジタル一眼」です。
~はじめに:スマホは凄い!~
現在日本においてスマホの普及率は上昇しております。総務省のHPから引用すると、2018年でスマホの普及率はおよそ60%であるということです。
そんなスマホに搭載されているカメラは、最高に携行性が良い上に、撮れる写真もどんどん綺麗になっています。
スマホのカメラセンサーは大きくありませんし、レンズも超高性能というわけではありません。しかし、スマホの情報処理能力は高く、きめ細やかで複雑な画像処理アルゴリズムが搭載されているため、われわれが手間暇かけずとも良い感じの写真に処理してくれます。
例えるなら、撮影した瞬間にフォトショップが起動して達人がズババっとレタッチしてくれるようなものです。
また、センサーサイズの小ささを逆手にとって容易にパンフォーカス条件が達成できます (要するに全体にピントが合う)。一方で、最近ではボケも人工的に作り出せたりします。また、機種によってはシャッターボタンを押した前後も記録されているため決定的瞬間を逃しにくいというメリットもあります。
実際、私も自分の子供を撮影するときスマホで撮影することが多いです。例えるなら、常に高性能で撮り直しも可能な「写ルンです」が手元にあるような感覚です (笑)
~それでも私が巨大なカメラを使用する理由~
それでも私は本気で撮影するときには大きなカメラを使っています。
敢えて巨大なカメラを使用しているのは、単純にそれでないと撮れない被写体があるからです。私の場合、風景写真好きで夜撮影することも多いので、流石のスマホでも映しきれません。
またシャッタースピードや絞りを自由自在に調整できるので、表現の幅がスマホと比べて段違いです。
<SSを長くして車の軌跡を残した写真>
<絞り込んで光芒を大きく写した写真>
これが私がわざわざ重量級機材を持ち歩いている理由です。
~デジカメの存在意義は?~
話を本題に戻していきます。スマホに対するデジカメの立ち位置についての話ですよね。私のように、最初から「風景を撮りたい!」と決まっていて、カメラの勉強をする覚悟がある人はいいんですよ。スマホとデジカメは全く問題なく住み分けられます。
同じように最初から鳥や飛行機を撮りたければ高倍率ズーム機能付きのコンデジまたは相応なカメラとレンズを買えばOK。また、ボケの効いたポートレートに憧れているのでしたらF値の小さめのレンズが使えるレンズ交換式カメラを購入して楽しめばいいということになります。
でも、、、
そんな人ばかりではないですよね?
よく初心者への質問に「結局何が撮りたいの?」って聞かれますが、実際は漠然と「日常風景や旅行写真をよりきれいに撮りたい、残したい!」という、いわゆるライトユーザーが多いと思うんですよね。そうするとアドバイスする側としては「スマホで充分じゃない?」ってなっちゃうわけです。また、初心者の方がせっかく買ったカメラも、うまいことカメラにハマってくれたらいいですが、「結局スマホで充分だったわ」となって使われなくなる可能性も結構高いと思います。
~スマホカメラは何が苦手?~
だから自分としてはせっかくデジカメに興味を持ってくれたのならスマホカメラには苦手だけどデジカメなら簡単にできることを知っていてほしいと思います。そんな機能の中で惹かれるものがあれば、せっかくデジカメに興味を持ってくれたのですから、是非デジカメを試していただきたいのです。
~ここまでのまとめ!~
・スマホは携行性で右に出るものは無いといっても過言ではなく、その画質も機能も年々良くなっている。
・撮りたい被写体が決まっていてスマホカメラでは対応しきれない方は、撮影目的に相応しいカメラを購入して楽しめばOK!
・でも、漠然と「そろそろデジカメが欲しい」という方は、スマホと比べて、デジカメにはどんなメリットがあるかが整理できたら選びやすくなると思います。次の項目で整理してみますので参考にして見て下さい ^^
~スマホに負けないデジカメのメリット~
- 幅広い光学ズーム機能
- シャッタースピードなどの調整自由度
- チルト液晶
- オートフォーカス性能や連射性能
- マクロ機能
- ボケ表現が手軽に楽しめる
- RAW現像が可能
- 防塵防滴性能
- 高感度耐性
- ファインダー
- フィルターが使用できる
などなど!
結構ありますでしょ (・∀・)💡
なので、スマホ全盛のこの時代でもデジカメを持っているメリットは十分あると思うんですよね。
これから漠然とデジカメが欲しいという方は、これらの機能の中で御自身にとって特に魅力的なものをピックアップして、それが得意な機種を、予算や持ち運びやすさと照らし合わせて選んでいけば失敗しにくいと思っています ^^
~それぞれの項目を簡単に解説~
<幅広い光学ズーム機能>
スマホでもズームはできるように思いますがあれはデジタルズームと言って画像をトリミングしているだけなので画質が劣化します (画質劣化をある程度防ぐアルゴリズムや、2つ以上のレンズを装着しているスマホもあるのですが例外とさせて頂きます)。
一方、ほとんどのコンデジはレンズによる光学ズームが可能ですし、レンズ交換式カメラならズームレンズを使えばいいだけの話です。
上の写真のように被写体にグッと寄れますし、広角が映るレンズを使用したら肉眼よりも大きな世界を一枚の写真に収めることも容易です。
~参考~
多くのスマホカメラの焦点距離は28mm程度です。焦点距離が小さいほど広角を映すことが可能なので、スマホよりも広い範囲を映したくてコンデジを選ぶのでしたら24mm以下のものを選ぶと良いですよ♪
<シャッタースピードなどの設定自由度>
シャッタースピードやF値やISO感度やホワイトバランスや露出補正といった項目を自由に設定できるので、慣れれば思い描いた通りの写真を撮ることができます。
<チルト液晶>
可動性の液晶があれば、寝そべったりしなくてもローアングル・ハイアングル撮影が簡単にできますので、重宝する機能です。
<オートフォーカス性能や連射性能>
スマホのオートフォーカスが遅いとは思いませんが、動きものに対する追従性には難ありと思います。一方で、デジカメのオートフォーカスの進化は目覚ましく、単純に素早いことはもちろん、瞳オートフォーカスをはじめとした瞬発力も良く、動物の瞳認証もできたり、顔を登録してオートフォーカスしたりする機能も搭載されている機種があります。
<マクロ機能>
スマホはあくまで寄れるだけです。本当に大きく写したければマクロレンズやマクロ機能が必要です (専門用語で「撮影倍率が高い」と言います)。
<ボケ表現が手軽に楽しめる>
ボケを大きくするためには、①センサーサイズが大きいカメラを使用して②望遠レンズを使用して③F値を小さく設定して④被写体に寄ればよれば良いです。
スマホはセンサーサイズが小さく広角レンズなのでボケはどうしても小さくなります。逆に言えば、全体にピントが合っているパンフォーカスは大得意なのですが、みんなの憧れ (!?) の背景のトロトロにボケた写真は撮れません。
<RAW現像が可能>
デジカメの撮影データはRAW状態で残すことができます。趣旨が違うのでRAW現像について細かく語ることはしませんが、これのおかげで後から明るさや色合いの調整が、画像劣化を最小にして非常にスムーズにできます♪
<防塵防滴性能>
防塵防滴性能の備わったスマホも多いですが、防塵防滴に特化したようなコンデジもあります!そういう用途が必要な方には、防塵防滴カメラでしたら、ストレスフリーで撮影できますよね ^^
<高感度耐性>
スマホも先述したように画像処理機能が向上しており侮れません。とはいえ、明るいレンズを使用して高感度耐性に優れた大型センサーで撮影した写真の高感度耐性は目を見張るものがあります。また、ダイナミックレンジと言うのですが、写真の中の暗いところ・明るいところのディテールをどれだけ残せるかも違ってきます。
明るい日中ならともかく、光量の少ない厳しい環境になるほど「良いカメラ」の良さが実感できることでしょう。もしあなたが手持ちで暗いところでも今よりもキレイに撮りたいのでしたらデジカメはお勧めです ^^
※また、高感度耐性とは違いますが光量の少ない環境でクリップオンストロボが使用できるのもデジカメの利点かもしれませんね。
<ファインダー機能>
明るい環境でスマホだと液晶が良く見えないことがあって困りますが、ファインダーがあれば問題ありません。また、構えるときにも安定しますよね。
<フィルターが使用できる>
レンズ交換式カメラや一部のコンデジはレンズにフィルターを装着できますので様々な効果を楽しむこともできます。
世の中にはクロスフィルターやNDフィルターやPLフィルターなど様々なフィルターがあります。例えば下の写真のようにソフトフィルターを使えば星をぼかして目立たせることもできます♪
~まとめてみました~
ここまで列挙してきた、スマホに対してのデジカメのメリットをまとめてみました ^^b
~具体的な選び方~
私は「おすすめのコンデジはこれです!」とか「初心者向けのミラーレスはこれです!」とかそういうことはあまり声高に言うつもりはありません。
現在の大手が手掛けるカメラの多くは一定以上の品質であり、どういう理由で欲しいかによっておすすめできるデジカメは違うので一概には言えないと思っていますし、実際に持った時のフィーリングだって重要です。
なので、漠然とデジカメが欲しいという方で、何かの縁でこのページに辿り着いた方は具体的にどんな機能が欲しいのかを上の表で整理していただけたら選びやすいくなるし失敗しにくくなるだろうと信じています。
もちろん、その結果、「自分はやはりスマホがあればいいや」となるのも、ありだと思います。安い買い物ではないですし、結局使わなければもったいないです。でも、自分に必要な機能が分かったうえで、「やはりデジカメが欲しいぜ!」となったなら具体的に選び始めましょう♪
コンデジかレンズ交換式かは、カメラがポケットサイズである必要があるかどうかで決めたらいいと思います。ポケットサイズでなくて良いのならレンズ交換式が楽しいですよ!上の表のとおり、やはりできることが多いですから。
で、レンズ交換式なら、今の私は一眼レフよりもミラーレスの方を推薦するかと思います。単にコンパクトだというだけでなく、スマホに慣れている人は液晶を見ながらの撮影に慣れているでしょうから (・∀・)
あとは、購入の決め手として最終的にフィーリングが重要だと思います。「手に持った感じがしっくりくるか」とか「自分にとって直感的か」とか「単純に格好いい/かわいい!」というフィーリングはちょっとしたスペックよりもずっと重要だと思いますよ。
~おわりに~
今回は「スマホ時代のライトユーザー向けのデジカメ選び」というテーマについて記事にしてみました。スマホの画質の改善は目覚ましいものがあり、今後も更に良くなっていくでしょうし、スマホカメラでできることはどんどん増えていくことでしょう。
一方、違う角度から見ると、スマホの普及にともない、かつてないほどカメラは身近な存在になっています。そんな中で、「もっといい写真が撮りたい!」と漠然と考えるライトユーザーもきっと多いはずです。しかし、デジカメの選択肢の多すぎるこの時代、どう選べば良いか分からない方も多いのではないでしょうか!?
そんな方々にとって、デジカメを買うとどんなメリットがあるのか整理してから選ぶと良い買い物ができるだろうと信じています ^^
ということでこの記事が今後デジカメを購入しようとしている方の一助になってくれたら幸いです。最後になりますが、今回の記事は多分に自分の意見ですので、何かご指摘がございましたらコメント欄までお願いします。
それでは今日はここで失礼いたします m(_ _)m
~関連リンク~
今更ですが、一眼レフとミラーレス一眼の違いについてはこちらでどうぞ ^^
デジタル一眼をメインに使っている私ですが、時々ポケットサイズのコンデジ使っています (SONY RX100M3) ^^b