「単焦点レンズの方が、ズームレンズよりも画質がいい。」
カメラ好きなら、誰もが一度は耳にしたことのあるフレーズではないでしょうか?
私もこの意見には賛同です。
なので、重くてかさばるのに単焦点レンズ何個もを担いで、ヒーヒー言いながら風景を撮影しているわけです ^^;
ですが、ふと冷静に考えてみると、実際に画質を比較したことがありません💦
そこで!
今回、夜の東京を舞台に単焦点レンズとズームレンズの画質比較をしてきました💡
どうせ比べるならば、と単焦点レンズとズームレンズの最高峰を用意しました!
すなわち、、、
なかなか見れない、この頂上対決!
お見逃しなく ^^b
~選手紹介~
いずれも認知度の高いレンズでしょうが、簡単に御紹介します。
まずは、赤コーナー!
AF-S NIKKOR 24-70mm f2.8E ED VR
NIKONの誇る、いわゆる大三元レンズの標準域を担う名玉です。
「単焦点レンズを詰め合わせたような描写性」!!
そう語られる描写力には多くのカメラファンが惚れ込んでいます。この24-70mmという焦点距離において、このレンズは圧倒的定評があるのです ٩( ᐛ )و
※引用:NIKONホームページ
対する青コーナーは…
Carl Zeiss Otus 1.4/55mm
Carl Zeissの誇る、「妥協を一切廃した究極の単焦点レンズ」!!
これが発表されたときには、そのスペックや哲学に度肝を抜かれましたね!
Carl Zeissのホームページから引用しましたが、堂々と「世界最高のレンズ」と言ってしまうあたりが凄まじいですよね!!
〜対戦内容!!〜
本日の対戦は5本勝負!
試合会場は夜の銀座〜東京駅です。
使用したカメラはD850です。
全てISO感度は100で撮影しました。
ホワイトバランスはマニュアルで設定。
プロテクトフィルターは外しています。
公平な条件になるように、三脚に固定して、ピントはマニュアルでライブビューで追い込んで合わせています。また、レリーズブレの影響を回避するために、レリーズはリモートレリーズを使用しミラーアップもしています。
そして写真はJPEG撮って出しであります。
それでは!
どうぞごゆっくり御観戦くださいませ ^^
~Round 1~
Round1はF2.8対決!
夜の銀座で撮ってきた2枚を、
早速比べてみましょう ^^b
<大三元> ISO 100, F2.8, SS 1/5 sec
<Otus> ISO 100, F2.8, SS 1/5 sec
中央と周辺を拡大して比較してみます。
<大三元:中央付近>
<Otus:中央付近>
いかがでしょう?
中央では明らかにOtusに軍配が上がりましたね💡
光のにじみが全くなく、Otusは精悍な写りです。
いわゆるヌケの良い描写です。
「世界最高のレンズ」という肩書きは伊達ではありません💦
<大三元:周辺付近>
<Otus:周辺付近>
大三元レンズですが、中央に比べて周辺が極端に甘いということはないようです。
ただ、線の甘さが目立ちますし、明暗差の強い部分はパープルフリンジが出ているような印象ですからOtusには敵いません。
F2.8対決はOtusの勝利と言えるでしょう💡
ですが、ズームレンズの解放と単焦点レンズの2段絞った状態との対決ですから妥当な結果ですよね ^^;
~Round 2~
次は少し絞ってF4対決です!
こんな写真で比較してみましょう。
今回も中央と周辺で比較してみます。
<大三元:中央付近>
<Otus:中央付近>
先ほどよりも2つのレンズの差は小さくなっているような印象です💡
実際、この大三元レンズ、普段使用するときは緊急避難時以外はF4以上で使用しています。絞ることで写りが大いに改善するレンズです。
ですが、コントラストなど、まだOtusの方が上でしょうか。
<大三元:周辺>
<Otus:周辺>
一見、Otusの方が描写が甘く感じますが、アウトフォーカスになっています。被写界深度から外れていてボケちゃっているんですね💦
重要なのは大三元レンズの描写性です。
かなり改善していますよね ٩( ᐛ )و
大三元の周辺画質が良くないというレビューも散見しますが、少し絞ると相当健闘しているように感じます!
F4対決は中央ではOtusがやや優勢。
一方、周辺は大三元の描写性の良さが光ったように思います!
~Round 3~
Round 3はボケ味対決です!
こんな写真で比べてみましょう。
いずれもF2.8で撮影しています💡
<大三元>
<Otus>
大三元レンズのズームレンズとは思えないボケ味は素敵ですね!
では、それぞれアウトフォーカス部位を拡大しますので、見比べてみてください💡
<大三元>
<Otus>
ボケ量はOtusの方が大きいですね。
どちらも軽く年輪ボケが出ています。
点光源のボケがレモン型になる、いわゆる口径食は、大三元の方が大きいですね。
※レンズの全長が長いので仕方ないですが ^^;
一般的に描写性が良くカリカリに写るレンズはボケが固くなる傾向があるのですが、Otusはボケ味も良さそうです。
もちろん、見ての通り、大三元レンズのボケ味が大いに劣るわけではありません。
しかし、この勝負は若干Otusの方が優勢だとジャッジします。
〜Round 4〜
今度は強い光源を構図に入れた逆光耐性比較です。
<大三元>
<Otus>
F8まで絞りましたが、どちらもフレアやゴーストなし!
超広角レンズを使うとほぼ間違いなくゴーストが出る環境なのですが、どちらも優秀ですね ^^b
引き分けであります。
~Final Round!!~
最終ラウンドはF8対決!
被写体は東京駅です。
<大三元:中央>
<Otus:中央>
ここまで絞ると、大三元とOtusの差はかなり縮まったように感じます。
というか違いがわかりません (笑)
<大三元:周辺>
< Otus:周辺>
いかがでしょうか??
私の目には違いがわかりません。
すげーな!!大三元 ^^;
〜結論〜
ご覧下さりありがとうございました!
標準ズームレンズと標準単焦点レンズの頂上対決という趣向でしたが、ここまでの結果をまとめてみましょう💡
<Round 1>
F2.8対決はOtusに軍配が上がりました。
<Round 2>
F4まで絞ってもOtusの方が描写性が高いと思います。しかし、絞ることで改善した大三元の描写性も負けておりません。また、周辺画質もfavorableだと感じました ^^
<Round 3>
ボケ対決は、Otusの方が量も質もいいかな?と思いましたが、ズームレンズなのにOtusに肉薄する大三元の実力は素晴らしい!
<Round 4>
逆光耐性は今回の対決では明確な差は無いように感じました。
<Final Round>
F2.8対決では惨敗の大三元レンズですが、F8まで絞ると両者の差はかなり縮まったように感じます。というかほとんど違いが無いようにすら感じますので、圧巻ですね ^^;
〜他のサイトの評価〜
デジカメinfoのテスト解析でも大三元の解像度のピークはF5.6~F8とのことなので、今回の結果に矛盾しませんね。
DxOMarkでは周辺の甘さが指摘されていますが、使用していてそういう印象はあまりないです。今回のテストでも周辺を拡大して注意して見ていましたが、中央より極端に劣るということはないと感じました。テストチャートの結果と実際の撮影結果の解離なんでしょうか。また、今回はあくまで焦点距離55mmでの評価であり、望遠端や広角端で実験したわけではないのでその差違かもしれません。
~解釈!~
さて、今回の頂上対決。
結果をどう解釈するかは個々人によると思います。
ある人は思うでしょう。
「さすがはOtusの描写性!」
またある人はこう思うでしょう。
そのうえで、両者には今回は見せなかった、さらなる強みがあります。
すなわち、大三元にはズーム機能があり、超高速のオートフォーカスもあり、さらに手振れ補正もついているという「強み」があります。これは手持ち撮影やフットワークの制限される花火撮影などで大きな利点です。
また、一方で、OtusはF2.8でも描写がよく、さらにF1.4まで絞りを開放できるという「強み」があります。これは星を撮影する場合などに於いては圧倒的なアドバンテージです。
~おわりに~
疲れましたが、なかなか楽しい比較でした ^^
機会があれば、ApoSonnar 2/135mm VS 望遠大三元とかも試してみたいです♪
なお、レンズを細かく評価した経験ってそれほど多くないので、私の評価で勘違いしている部分があれば、是非コメント欄で御指摘下さいませ💦
それではまた次回、お会いしましょう!