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巡る季節を写真に残す! ~Since 2017-05-01~

【カメラの豆知識:オートフォーカスの機序】

スマートフォンを含め、昨今のカメラには基本的についていますよね、オートフォーカス。これってどういう原理だかご存知でしょうか?

ちなみにこのテーマは「フォトマスター検定」でも頻出です💡

 

フォトマスター検定とは年に1回とりおこなわれる写真とカメラの実用知識検定試験です。3級、2級、準1級、1級とさらにその上のEXクラスがあります。3級~1級はマークシート形式の選択問題です。

私は昨年11月に受験しました。

写真で食べているわけでない人間にとっては何とも得体のしれない試験でしたので、ひよって1級ではなく2級と準1級をダブル受験 (午前に準1級、午後に2級を受験) しました。

実をいうと、試験の3日前に祖父が大往生し試験前日が御葬式という、直前のバタバタもあったのでひよって正解だったようです^^;

ちなみにちゃんと合格できました

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今年は1級を受験するので自分への勉強も兼ねてこういう記事も時々書いてみます💡

ちなみに今年は11月19日 (日) ですのでまだまだ時間はあります。興味のある方は一緒に頑張りましょう!

ということで、オートフォーカスの機序をまとめてみます。

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~(1) まずは基本!~

オートフォーカスには大きく「アクティブ形式」「パッシブ形式」の2つの方法論があります。「積極的」か「消極的」か、って意味ですね。

私たちがもっぱら用いているのはパッシブ形式の方です。要は放っておいても勝手にレンズ越しに入ってくる光を、後述する方法で解析してオートフォーカスを行う方法です (ですから、消極的=パッシブ)。

一方でアクティブ形式の場合、カメラから赤外線を出してそれが被写体に反射し戻ってくるのを感知して測距する方法論です。したがって暗闇でも数メートル程度の範囲なら作動させられます。また、真っ白など単色の被写体にもピントを合わせることができます。

 

~(2) 次のステップ!パッシブ形式の2つの方式!~

さて、パッシブ形式の中にも「コントラスト検出方式」「位相差検出方式」の2つの方法論が存在します。

コントラスト検出方式はレンズを通って入ってきた光を撮像素子に当て、解析して、一番コントラストが強くなったところを合焦したと判断する方法です。従って、ちょっと時間がかかります。何枚かの像を比較する必要があるからです。

絵を描いてみたのでこれを見てもらえたら分かりやすい (!?) と思います💡

f:id:tatsumo77:20170516194740j:plain

スマートフォンとか昔のコンパクトデジカメでピント合わせしている時に、ボケたりボケなかったりを何回か繰り返してピピって合焦した経験ないですか?あれです。

 

一方、多くのデジタル一眼レフで採用されているのが「位相差検出方式です。

  ①レンズから入ってきた光の一部を2つの測距のためのセンサーに結像させます。

  ②ピントが合っていないと測距センサーで結像する位置が前後にずれます。

  ③そこからジャスピンの場合とのズレ量を瞬時に計算し、モーターでレンズを駆動させて合焦させる

という方法です。

…分かりにくいですね^^;

これも絵を描いてみたので見てやってください!

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うーん、どうでしょう?何となくわかりますか?
もうちょっときれいな絵が描けたら随時更新しますね^^;

イメージ的には下の画像も分かりやすいと思います。

(引用:http://camera.itmedia.co.jp/dc/articles/1009/14/news026.html)

photo

 

 

まあ、要するに、コントラスト検出方式はいわゆるtry and errorsなのに対して、この方法は演算に基づいてスッと動くのでオートフォーカスが早いです

ちなみに、こんなことを瞬時にやっちゃうデジカメってすごいと思いませんか!?勉強していて感動しましたことを記憶しています。

※素早いオートフォーカスなので動く被写体にも有利ですよね💡

 

~(3) 応用編、像面位相差AF~

さて、さらに少しだけ突っ込んだ話を。

このように、位相差検出方式のほうがコントラスト検出方式よりも素早いオートフォーカスが可能です。では欠点はないのでしょうか?

位相差検出方式ではレンズを通ってきたクイックリターンミラーで反転させたりして光を測距センサーに誘う必要があります。つまりこれらのために場所をとりますからカメラが大きくなってしまうことが欠点です

ですから基本的にデジタル一眼レフで用いられてきました。

しかし、実はミラーレス一眼やコンパクトデジタルカメラでも位相差検出方式を可能にした技術があります。なんと測距センサーを撮像素子に組み込んでしまうのです!こうすることでコンパクトさと位相差検出方式による素早いオートフォーカスを両立させることができます。これを「像面位相差AF」といいます。

※確か、これを初めて採用したのが2010年の富士フィルムのFinePixF300EXRで2011年にNIKONNikon 1という機種を発売したはずです。

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最近のスマートフォンオートフォーカスが速くなったのはこの影響といわれています!「コントラスト検出方式」→「像面位相差AF」と進化したというわけです。

 

下のイメージはセンサーの拡大図です。よく何千万画素って言うじゃないですか。あれって撮像素子を何千万分割しているってことなのですが、その所々に測距センサーが隠れています (下のイメージの白黒の部分です。)

https://www.olympus-imaging.jp/content/000015296.jpg

※写真はオリンパスから引用しました:

https://www.olympus-imaging.jp/product/dslr/em1/feature5.html

※いわゆるデュアルピクセルCMOSについての説明は今回は割愛します。すいません。

 

 

どうでしたか?スマートフォンも広く普及しておりオートフォーカスはかつて以上に身近なものになったと思いますが、どういう仕組みか知っている人は多くないのではないでしょうか?

 

とはいえ、撮影するうえでは知らなくてもいいことなので興味のない人にとっては面白くない記事かもしれませんね、すいません。。。

次回は、もうちょっと一般的なあるある質問の「デジタル一眼レフとミラーレス一眼レフの違い」とか、実用性のある「コサイン誤差について」など記載してみます。

でも、ちょっと肩の凝る記事を書いて、喉が渇いたので一回ビールの話題をはさみましょう^^;

それでは、失礼いたします!