Circulation - Camera

巡る季節を写真に残す! ~Since 2017-05-01~

有効画素があるなら無効画素はあるの?

~はじめに~

今日はカメラの撮像素子 (以下、イメージセンサー) のトリビアを御紹介します。

皆様がお使いのデジカメやスマホには、必ずイメージセンサーという部品が搭載されています。

デジカメにとってのイメージセンサーは、フィルムカメラのフィルムに相当するパーツですから極めて重要な部品です。

この絵で「撮像素子」と記載されている部品がそれです💡

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※引用:NIKON homepage

 

一眼レフではこのキラキラした部分ですね。

クイックリターンミラーをひっくり返すと観察できます。

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さて、そんなイメージセンサーですが、

意外と知らない用語多くありませんか?

例えば、「有効画素数という言葉💡

耳にしたことがあるかもしれませんが、

どういう意味か調べた人は案外少ない

のではないでしょうか?

「有効画素があるなら、無効画素もあるの??」

今日はそんな疑問にお答えしましょう!

 

~そもそも画素って何?~

デジカメのイメージセンサーは細やかなフォトダイオードによって分割されています。

シャッターを切ると、レンズを通過してきた光を、このフォトダイオードの一つ一つが感知します。

そしてそれらフォトダイオードの情報を、統合して処理して写真が出来上がるのです。

図示してみましたので、ご参照ください💡

f:id:tatsumo77:20171113095528p:plain

 

そのため、デジカメ写真は、拡大していくとモザイク状になっています。

例えば、こちらをご覧下さい。

デジカメ写真をガッツリ拡大したものです。

多数のタイルによって形成されているのがお分かりいただけますでしょうか?

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このモザイクを形成しているタイルを「画素」と呼びます。

 

では、写真は一体いくつの画素で構成されているのでしょうか?? 

それはカメラによって違います。

例えばD850というNIKONのカメラで撮影された写真は、4575万画素です。

ご覧ください。

で囲ったところに「有効画素数 4575万画素」と書かれていますね💡

f:id:tatsumo77:20171113181137p:plain

 

 

実際にD850で撮影した (JPEG fine画質の) データは、

長辺8256ピクセルで短辺5504ピクセルの写真です。

(ピクセル ≒ 画素)

長辺と短辺のピクセル数を掛け算してみましょう。

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おや?

おやおや?

4544万画素??

スペック表に記載されている有効画素数4575万画素よりも少ないですね??

詐欺か!? ( ゚Д゚)

いえいえ、そうではありません ^^;

実はこれが今日のテーマである「有効画素数という用語と関連しています。

これからそれを解説いたします。

 

 

〜無効画素ってあるの?〜

さて、今日のテーマですが、

「有効画素があるなら無効画素はあるの?」

でした。

結論からいうと、無効画素という言葉は無いと思いますが、

「実際に写真にはならない画素」

はあります。

 

まず、そもそも画素数を表す言葉は3つあります。

(1) 総画素数

(2) 有効画素数

(3) 記録画素数

 

記録画素数は読んで字のごとく、実際の写真に必要な画素数です。

先ほどの、「8256 × 5504 ≒ 4544万画素」というやつです。

で、これが大事な話です。

有効画素数は記録画素数よりも一般的に多いです。

何故か?

それは有効画素数は、一般的にリングピクセルという写真には映らない画素を含むからです💡

有効画素数 = 記録画素数 (+ リングピクセルの画素数)

ですから、先ほど8256 × 5504 ≒ 4544万画素と計算しましたが、これは「記録画素数」なので、「有効画素数」の4575万画素より少なかったのです。

ご理解いただけましたでしょうか?

(;・∀・)

 

ちなみに、リングピクセルは、記録画素の周囲に配置されています。

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このリングピクセルは、フォトダイオードのデータから写真を作り上げる際に必要となる「フィルター処理」という工程で必要になります。

ただ、詳細は私もきちんと理解していません💦

ごめんなさい m(_ _)m

デモザイク処理の一環なのかな?画像を自然になだらかに見せるようにする処理なのでしょうが。。。

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さらに!

このリングピクセルの更に外側にはオプティマルブラックという光が当たらないフォトダイオードがあります。これは「黒」の基準を作るために必要な画素です。

 

ということで、総画素数の中には実際に写真にはならない、

・リングピクセル

オプティマルブラック

という画素も含まれているわけです💡

 

 

~まとめ画像です~

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〜Answer !〜

ということで答えを出しましょう。

Q.) 有効画素があるなら無効画素はあるの?

A.) 無効画素という言葉はありません。しかし、実際の写真にはならないリングピクセルオプティマルブラックという概念があります。

 

ちなみに、有効画素数という言葉だけが何故有名かというと、

カメラのスペックには有効画素数だけは必ず記載しなくてはならないから

では無いでしょうか?

私の想像ですが ^^;

 

~補足事項~

【補足①】

上述のように画素数は、

総画素数 > 有効画素数 > 記録画素数

です。

ちなみにD850の場合は、4689万画素 > 4575万画素 > 4544万画素です。

【補足②】

CIPAのガイドラインで、「有効画素数にはリングピクセルを含めてよい」と記載されています。各メーカーは少しでも画素数を多く見せたいので、

有効画素数 = 記録画素数 + リングピクセル

という式が一般的には成り立ちます。

なのですが、厳密には「有効画素数 > 記録画素数」ではなく、「有効画素数 ≧ 記録画素数」なのかもしれません。

 

~終わりに~

ということで、今回は有効画素数という言葉について語ってみました。

知っている人からすれば、目新しい情報は無いでしょうが、デジカメとは切っても切れないイメージセンサートリビアですから、参考になってくれたら幸いです。

それでは今日は終了です!

また、よろしくお願いします m(_ _)m