Circulation - Camera

巡る季節を写真に残す! ~Since 2017-05-01~

Z9を星景写真撮影という視点で評価してみました

~Introduction~

こんにちは、Circulation - Cameraです。今回はZ9の星景撮影におけるもろもろをレビューしてみたいと思います。Z9は2021年12月に発売となったNIKONのミラーレスカメラです。基本的にはスポーツや動物のような動きモノを撮影することに長けたカメラなのですが、星景写真にも使えるだろうと思って購入してみました。

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動体撮影とZ9の関係ならググればた〜くさん情報が出てきます。一方、Z9と星景写真との関係はまだあまり語られていないと思うんですよね。ということで、自分も使い始めたばかりですが、今回はどうして風景・星景写真がメインの自分がZ9を購入することにしたのか、また実際に使ってみた感想はどうなのかを綴ってみたいと思います。4000字以上の長い記事なので気になる方はゆっくり時間のある時にでも読んでやってくださいませ。

それではよろしくお願いします m(_ _)m

 

~スターライトビュー!?~

Z9のスペックが発表され、自分が最も驚いたのがこの「スターライトビュー」というモードです。これをONにすると、撮影画面が明るく見やすくなり被写体の確認が容易になります。

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どうしたって星撮影を連想しますよね、このネーミング。高感度耐性だってフラッグシップ機ですから特段悪いはずはないと思います。しかもボタンイルミネーターまで採用されているので真っ暗闇で撮影する星景写真にも使えるのではないかと思い始めたわけです。

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引用:NIKON HPより

だとしたらこれは凄いことです。動体撮影として2021年最高峰の技術を搭載しつつ、動体撮影とは全く勝手の違う星景写真もこなせるとしたら、、、

言い過ぎかもしれませんが、

( ゚д゚) < もう何でもアリじゃない!

 

~ISO 64と有効画素数4571万画素~

ここも面白いところでした。ISO 64でスタートなんですよね。一眼レフフラッグシップ機のD6はISO 100スタートです。ISO 64スタートは明るい環境での動体撮影を意識しているという見方もできますが、Z9は完全に電子シャッターです (メカシャッターレス)。なのでSS 1/32000 secまでSSを速くすることが可能です。だからISO 64が明るい環境の動体撮影でめちゃくちゃ有利になるわけではないと思います。

もちろんISO 64で撮ろうがISO 100で撮ろうが特段にダイナミックレンジが変わったりするわけではないのですが、動体だけでなく風景撮影にも配慮しているという姿勢を勝手ながら感じました

そして有効画素数D6の2082万画素から4571万画素と2倍以上になっています。風景写真の名機D850とほぼ同じ。この点も風景写真好きとしては惹かれた点です。

 

~要するに~

要するに、当初は動体撮影に特化したカメラなんだろうなぁと思っていましたが、スターライトビュー・ボタンイルミネーターなどがあり、高感度耐性も期待できる機種なので星景写真にもきっと向いているだろう。また、素数も4571万画素と風景写真の現在のトレンドに合致している。おまけに (というとおかしいですが) 動体撮影や動画も最高峰の技術が導入されている。

(・∀・) < OK!買いましょう!

 

~購入、そしてテスト!~

発売前から品切れが予想されていたので即予約して発売日に入手することができました。

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さぁ、買ったからには使ってみないといけません。ということで前回載せた写真ですが、元旦から野辺山に行って撮影してきました。

Z9 + NIKKOR Z 14-24mm F2.8 S + Partial Softfilter, ISO 4000, F 2.8, SS 25 sec

DSC_0117野辺山の夜

オリオン座・冬の大三角形と冬の天の川と雪原・枯れ木とコラボさせてみました。ほぼJPEG撮って出しです。高感度耐性はまずまずよろしく、各部分を拡大するとこんな感じです。

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~ベンチテスト結果~

こちらはPhotons of photoに記載されたデータをデジカメinfoさんが和訳したチャートです (引用:ニコン「Z 9」のダイナミックレンジと高感度ノイズの測定データが掲載 - デジカメinfo (digicame-info.com))。

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Low light ISOはS/N比を元に許容できるISO感度を表します。高ければ高いほど高感度性能に優れているという指標です。値的にはZ7Ⅱとほぼ互角です。D6や他社さんのカメラよりは少し低いテスト結果になっていますがISO 4000で行けるのなら自分の撮る星景写真には何の問題もない感じです。これは実際に自分がフィールドで使用した感覚ともほぼ合致します。

※ちなみに自分の経験的にはベンチテストでのLow light ISOよりもreal worldでの許容可能なISO感度はもっと高いと思っています。

 

~長時間露光ノイズは未知数~

ノイズにも実際にはいくつか種類があります。この話は脱線しそうなので深堀しませんが長時間露光をすると熱ノイズが発生します。Z6はこれがあまり発生しなかったのでダーク減算をほとんどしなくて良かったんですが、Z9で撮影した写真もそういう印象を受けます。ただ、撮影環境がマイナス17度で、しかも一発撮りですからね ^^; 本当に発生が抑えられているかはもう少し使い続けなくては分からないというのが本当のところです。

 

~スターライトビュー、どう?~

実際にスターライトビューも使用してみました。この日はマイナス17度という環境でめちゃ寒くて、スターライトビューを使用している状態をのんびり記録する余裕がなかったのでぬくぬくの室内で撮ったものです ^^;

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左のようなセッティングでスターライトビューをonにして部屋をほぼ真っ暗にします。

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肉眼でもぬいぐるみは見えないくらい暗くても液晶にバッチリ写り出されます!

実際に星景写真を撮影しているときも下の写真くらいの明るさで背面液晶に表示されるので構図を作るのはめちゃくちゃ楽でした!

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ただ、さすがに星景写真を撮るような環境は暗すぎてAFは作動しないのでマニュアルでピント合わせをしました。Z9の背面液晶もEVFも大変なめらかなのですが、スターライトビューの場合は結構カクカクした動きになります。そのため、マニュアルでピント合わせをするとフォーカスリングを回したタイミングとピント位置が変わるタイミングにラグがあるので少し苦戦しました。これはちょっと注意が必要な点かもしれませんね。

 

~撮影結果の表示~

メカシャッターレスによる完全ブラックアウトフリーが売りなので撮影結果がデフォルトでは撮影後に表示されません。再生ボタンを押せばいいだけですがひと手間かかります。特に星景写真は寒い環境が基本なので厚手の手袋をしていることが多く、なるべく手間は少なくしたいものです。「撮影直後の画像確認」を「する (画像モニター表示のみ)」にしておくと背面液晶には撮影直後の画像が表示されファインダーには表示されないのでお勧めです。

※自分は動体撮影はほとんどEVFでするので、風景・星景撮影は背面液晶に撮影結果が表示され、動体撮影はブラックアウトフリーのままでいちいち設定を変えなくていい。

 

~シャッターが軽いので、、、~

先ほども記載したように厚手の手袋を装着していますのでボタンイルミネーターを作動させようとしてうっかりシャッターを切ってしまうことが何度かありました。

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シャッターボタンが非常に軽いので間違えて触ると結構簡単に押ささってしまいます。結果、数十秒間時間が無駄になるので最初ちょっと戸惑いました

 

~ダイナミックレンジ~

風景写真・星景写真ではカメラのダイナミックレンジは広いに越したことはありません。実はD6も購入を検討したこともあったのですが、2082万画素とやや小さいことと、ダイナミックレンジが狭いことが気になって購入しなかったのです。Z9のダイナミックレンジはD6よりも広いというデータがあり、Z7Ⅱと同程度のようです (引用:先程のデジカメinfoさんのチャートと同じ)。

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ISO感度領域でZ9のダイナミックレンジがD6よりも広いことが示されています。ISO 3200を境目に逆転していますが差は比較的小さいように思います。

星景写真を撮るような環境ではあまり差は無いのかもしれませんが、通常の風景写真撮影で低ISO感度のダイナミックレンジがZ7Ⅱ並みに広いことは安心材料かなと思います。

 

~細かい話①:4軸チルト液晶~

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このように縦構図にしたときにも背面モニターを動かすことができます。多くは語りませんが、これ便利です。

 

~細かい話②:電池の持ち~

今回、電池が刷新されています。約4時間マイナス17度の環境で使用しましたが、電池の減りは表示の1/5程度でした。

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感覚的には一晩中撮影していてもフル充電していればOKな感じでしたが、USBケーブルをモバイルバッテリーに接続すれば撮影中も充電できるのでより安心して使用することもできるみたいです。

 

~細かい話③:手振れ補正に注意~

これはZ9に限った話ではないのですがボディ内手振れ補正機能はoffにしておかないと誤作動をする可能性があります。

 

~まとめ!~

・Z9は動体撮影に長けた機種でありながらスターライトビューやボタンイルミネーターなど星景写真に有効な機能も有している。ISO 64スタートや有効画素数4571万画素という点も風景写真撮影に配慮しているという印象を与えてくれる。

・実際に使用してみて高感度耐性は十分に感じられた。

・スターライトビューは構図を決めるのに大変有効だがフレームレートが落ちるのでピント合わせが少しやりにくかった。

・ボタンイルミネーターも有効であるがシャッターボタンの誤操作には注意が必要。

・細かい話だが、4軸チルトはただただ便利。電池の持ちは問題ないでしょう。

 

~おわりに~

ということでZ9と星景写真の関係にクローズアップしてみました。まだ1-2回しか使用していませんが予想通りの使いやすさだなと思いました。

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忘れてはいけないのはZ9は決して星景写真に特化したカメラではないということです。それでもここまで星景写真に活かせるのは素晴らしいことだと思っています。あとせっかくZ9を手に入れたので動きモノにも挑戦してみようと思うんですよね。具体的には野鳥撮影とかですかね。結構動物も好きなんですよ、自分。ちなみに正月にお猿さんを3Dトラッキングで撮影してみましたが、めっちゃ撮影簡単で笑っちゃいました

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ジャンプの瞬間も楽勝で捉えられます

3Dトラッキングで被写体をロックオンしておけばZ9が勝手に被写体を追い続けてくれるので構図造りに専念できます。あとは撮りたい瞬間にシャッターボタンを押すだけ。

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そして4500万画素オーバーの画質も素晴らしいものがありました。Flickrにアップしましたのでよかったら拡大して見てやって下さい。Z9は絶対値としては60万円近い高額なカメラですが、これだけいろいろなことができるのならありがたく、今のところ満足しています。これからも作例を積み重ねていきたいと思います!

それでは今回はここで失礼いたします m(_ _)m