Circulation - Camera

巡る季節を写真に残す! ~Since 2017-05-01~

とある風景写真好きがミラーレス機に思う事

こんにちは、Circulation - Cameraです。

2018年になって多くのメーカーがこぞってフルサイズミラーレス機を発表してミラーレス業界は一気に活発になってきました。結果、「時代はミラーレス機!」「ミラーレス機、万歳!」といった記事はインターネットに山ほど転がっています。しかし、こういう時代だからこそ、自分のような風景写真好きにとってどのようなメリットがあるのか、改めて振り返ることも重要だと思うのです。

ということで、今日は風景写真好きの視点で「ミラーレスが風景写真にとって、どのようなメリットがあるのか改めて確認してみたい」という趣旨で、ちょっと語ってみたいと思います。

なお、多分に個人の意見ですから、「そんなことない!」という方も怒らないで、寛大な心で読んでやって下さいね ^^;

それではよろしくお願いします。

 

 

~カメラは小型化しますが…~

ミラーレス機といえば、「小型化」「軽量化」が大きなアドバンテージですよね。クイックリターンミラーとペンタプリズムを省略できるので、一眼レフよりも明確に小型化が可能です。

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小型化は、街中スナップやお散歩用では非常に助かります!また、手持ちで野鳥を狙う方にとっても、機材が大きくなりがちなので、恩恵と言えるでしょう。

ただ、当たり前のことですが、機材が小さくなってもレンズの数が減るわけではありません。また、次項で触れるように、風景撮影では三脚も必要なこともあるので、機材の総重量がものすごく軽くなるわけではないのです。角型フィルターなどのアクセサリーが欲しいことも多々ありますしね。もっといえば、山に登って撮影をする方々は、さらにテントとか水・食料も担いでいくわけです。機材の総重量という観点で語ると、カメラが小型化しただけでは、革新的な軽量化には至らないように感じます

そうは言っても軽いことはメリットには変わりありません。首や肩からぶら下げて持ち運ぶ場合の負担も変わりますしね。あくまで、街中スナップ・お散歩や旅行用・野鳥撮り・ポートレート撮影なんかに比べると、小型化の恩恵が少ないんじゃないか、というニュアンスです。

 

 

~一眼レフ+三脚~

さて、風景写真を撮影する際に、三脚は大変頼りになる相棒です。で、三脚にカメラを固定した場合、背面液晶でライブビューでピントや構図を追い込むわけです。なので、一眼レフは三脚に固定してしまえば、ミラーレス機と何も変わりません

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むしろ、私は夜撮影することが多いのですが、例えば星を撮影するような暗い環境なら、EVFや背面液晶では何も映らないことも多いです。

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なので、私は電源を切った状態で、光学ファインダーで構図をある程度合わせています。敢えて矛盾した表現をしますが、風景撮影において一眼レフ機は、「光学ファインダー付きミラーレス」なのです、自分にとっては。

また、星を撮影する場合、長時間露光を頻繁に行います。構図を決めている間に余計な電池消費をしなくて良いのも長所になるわけです。

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あと、ミラーショックはミラーレス機では絶対に発生しないので画質面で有利ですが、ミラーアップして撮影するのなら関係ないですよね。

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ということで、三脚に乗せて撮影するような、じっくりと構図もピントも露出も追い込む撮影であれば、ミラーレス機の長所を活かしにくいのではないか、と考察します。

 

 

~三脚が使えないときは?~

もちろん、私だって手持ちで風景を撮影することは多々あります ^^;

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このような手持ち撮影の場合、ミラーレス機の長所は活きてくると思いますミラーレス機の場合、スマホのカメラのように背面液晶やEVFに出来上がりに近い画像が映し出されるので、「撮ってみたら全然暗かった」とか「真っ白だった」とか「撮ってみたらイメージしていた色と違う」というリスクは少なくなります。

特に、刻一刻と変化する夕暮れ時の空の表情や、人物のシルエットを風景に取り込みたい場合などは、状況に柔軟に素早く対応する必要が出てきます。こういう流動性を求められる時に設定を実際の仕上がり予想図を見ながら変更できるのは、撮影のテンポを良くしてくれるので、大きなメリットだと思います。

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ただ、風景撮影は他の撮影に比べて、基本的にF値ISO感度シャッタースピード・ホワイトバランスは、比較的じっくり設定する時間があります。なので上記のようなミスが致命的になることは比較的少ないと考えます。

また、露出を調整するとき、F値シャッタースピードISO感度のどれをどのように具体的に変化させたらいいかを見極めるには、ミラーレス機であろうと一眼レフ機であろうと、ある程度の知識と経験を必要とします。こういった知識と経験がある方ならば、一眼レフ機であっても、結果的にきちんとした写真を生み出すことができるのではないかと信じています。

一方で、ミラーレス機でボディの小ささだけを追い求めてしまった結果、操作性が低下し、露出設定を素早く変更しにくくならないかという懸念も無くはないです。

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<ミラーレス機のメリット>

とはいえ、ミラーレス機のメリットは他にもあります。背面液晶を見ながら撮影することで、構図の自由度が増すのは大きな利点です。また、朝日や夕日など逆光であっても目が痛くならないのもありがたいですよね。

他にも、ファインダーを覗きながら撮影してもミラーショックが無いのはメリットです。また、最近のミラーレス機には、カメラ内手振れ補正機能が搭載されているものがあります。これがあると手振れ補正の無いレンズでの撮影の幅が広がります。手振れ補正がついているということは、ISO感度を下げたりF値を大きくしやすいので間接的に画質向上にもつながるでしょう。

従って、同じ風景写真の中でも、旅行中のスナップ撮影に近い感覚で撮影する場合は、ミラーレス機の良さが活かしやすいのではないでしょうか。

 

 

オートフォーカス

ミラーレスのオートフォーカスが遅いなんて言うのは昔の話です。むしろ、一眼レフ機の場合、サブミラーを用いて位相差検出オートフォーカスをすることが多いので、フォーカスポイントがかなり中心に寄ってしまいます。それに対してデュアルピクセル方式などを採用したミラーレス機なら、オートフォーカスが速くて正確なだけではなく、フォーカスポイントも広く、かえって有利だと認識しています。また、イメージセンサーの情報を直接解析するオートフォーカススタイルなので、瞳オートフォーカスや顔認証もミラーレス機の得意分野ですね💡

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CANON HPより画像引用

もちろん、旅先でサクサクと風景を切り取りたいときには、オートフォーカスの質の向上はメリットでしかないので、ありがたい話です。

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しかし、現状の一眼レフだって優秀なオートフォーカスが搭載されており、風景撮影程度でしたら、ミラーレス機ではないといけない理由にはならないように感じます。少なくとも私の場合、693点のフォーカスポイントがあっても、手に余ります ( ̄▽ ̄;)

また、風景写真を撮影するときに限ると、そもそも私はあまりオートフォーカスを使用しません。三脚に固定する場合は言うまでもないとして、たとえ手持ちであっても大事な場面ではライブビューで拡大して狙った場所にピントを合わせてから、光学ファインダーを覗いてフレーミングしています。

実際に、約半年間、オートフォーカスを使用していなかったため、故障していることに気づかなくて、旅行前に慌てて修理してもらったこともありました ^^;

↓このような写真を撮影するときにはオートフォーカスも手振れ補正もoffにします。

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〜オールドレンズ〜

ミラーレス機はオールドレンズとの互換性が良好です。理由がよく解らないようでしたら、以前解説したことがあるのでそちらをご参照下されば幸いです。

tatsumo77.hatenablog.com

ただ、風景撮影にオールドレンズが合うかどうかは個々人の感性によるところが大きいです。私は収差の良くコントロールされた現在のレンズを好んで使用していますが、「オールドレンズならではの風景写真」は面白い視点だと思います。そういうジャンルが出てくる可能性は楽しみですね!

ただ、下手をすると雰囲気だけに重みを置いた、ただの「フレアだらけ」または「収差まみれ」の風景写真になりかねないので、きちんと哲学を持って開拓されてほしい分野だとも思ったりもします ^^;

 

 

~今日のまとめ~

ということで、個人的な意見をまとめますと、

(1) 三脚を使用するような場面や、時間に余裕があり、じっくりと構図・露出・ピントを追い込むような風景撮影では、ミラーレス機の良さを活かしづらいと考えます。

(2) むしろ一眼レフ機は「光学ファインダー付きミラーレス」として扱えるというメリットがあります。

(3) また、風景写真は「オートフォーカスの改善」という恩恵も比較的実感しにくい撮影スタイルであるとも言えるでしょう。

(4) 一方で、旅先や散歩中のスナップ撮影に近い感覚の風景撮影の場合であれば、ミラーレス機の良さがグッと光ると思います。

 

 

~おわりに~

もともとこの記事を書こうと思ったのは、先日、星空を撮影していて光学ファインダーのありがたみを改めて実感し、「ミラーレス機が登り竜ではありますが、一眼レフ機の良さはまだまだ捨てられないな!」と思ったことにあります。

しかし、改めて文章に起こしてみると、意外とミラーレス機の恩恵に預かれる場面が多くて、ちょっと驚いてしまいました。ミラーレス機が求められている理由を、風景写真好きの視点から改めて確認することができて良い機会になりました。

ただ一方で、決してミラーレス機は神器ではありません。周りがミラーレスが良いって言っているからミラーレス機を買ったところで、写真が上手くなるわけではありません。ミラーレス機の特徴をよく理解して、自分の撮影スタイルに対してどういうメリットがあるのか考えてから購入しないと、無駄な消費になる可能性は十分あるので御注意くださいね ( ̄▽ ̄)

 

ちなみに、私はNIKONの新しいミラーレス機が出たら喜んで購入するつもりです♪

風景以外にもいろいろ撮影しますので、本当に楽しみです (・∀・)

※追記:Z6買いました ^^b

tatsumo77.hatenablog.com

ただ、私のようながっつり三脚を立てるような風景撮影においては、今回述べたように、特別ミラーレス機でないといけない強い理由がありませんので、今後もD850とD810を使い倒していく所存であります ^^b

 

最後になりますが、もし御意見や御質問がございましたら、コメント欄に頂ければ幸いです。それでは、今日はこの辺で失礼いたします m(_ _)m