〜クイズです〜
突然ですが、以下の2枚の写真をご覧ください。
ほとんど同じ設定で撮影した写真なのですが、
写りが明らかに異なります Σ(・□・;)
何故このようなことが起こるのでしょうか??
~答え!~
その答えはシャッタースピードにあります💡
実は蛍光灯やLEDは眼では捉えきれない速さで点滅しています。
上の写真は比較的速いシャッタースピード (約1/500 sec) で撮影されています。
そのため、
- 点滅がonのタイミングで撮影 → 明るい写真
- 点滅がoffのタイミングで撮影 → 暗い写真
となったわけです。
このような人工光源の点滅・ちらつきを
「フリッカー」といいます。
_φ(・_・ _φ(・_・
~フリッカー周期~
蛍光灯やLEDのフリッカーの周期は、電源の周波数に関連しています。
一般に電源の周波数の2倍の周期です💡
従って、
東日本:50Hz × 2 = 100Hz
西日本:60Hz × 2 = 120Hz
ですね。
すなわち、1秒間に100-120回の頻度で点滅していることになります。
※なぜ電源の周波数の2倍かというと、電源は直流ではなく交流なので、1周期中に2回ピークが来るからです (下図参照)。
なんにせよ、この秒間に100〜120回の点滅は人間の眼では意識できません。
残光効果という現象により、あたかも定常的な光を放出しているように見えます。
しかし、カメラは違います Σ(・□・;)
この周期よりも速いスピードでシャッタースピードを設定すると、onの時とoffの時のいずれかでシャッターが切れてしまいます!
すると先ほどのような明るさのムラが発生する可能性が出てくるわけです。
ご理解頂けますでしょうか!?
~イルミ以外でも…~
こういった点滅に関する現象はイルミ以外でも観測されます💡
信号機や電車などの電光掲示板を撮影してこのようになったことはありませんか?
これもシャッタースピードが速くて、「点滅がoffの瞬間」を捉えてしまったが故に発生する事象です。
※この時は1/800 secで撮影しています。
~フリッカー対策~
このように、フリッカー現象は多くの人工光源で発生するわけです。
なので夜に室内で撮影をする場合などでも影響があるかもしれません。
例えばですが、
「室内で記念撮影しようとしたら予想外に暗くなってしまい、プチパニック!」
( ゚Д゚)💦💦
なんて事も起こり得ます。
なので対策を知っておきましょう💡
具体的な対策方法を2つ、御紹介します ^^b
<対策① フリッカー低減機能の活用>
<対策② シャッタースピードを調整>
~対策①フリッカー低減機能~
カメラの機種によってはフリッカー低減機能が備えられています💡
例えば、私が愛用するD850にはついています。
これは、カメラが光源の点滅周期を計算してシャッターを切ってくれる機能です。
これによって、早いシャッター速度でも安心して撮影ができます。
図示すると分かりやすいと思います💡
※ただし、連射速度が落ちる可能性などがあるようなので、その点は要注意です。
※※また、マニュアルモードでは起動しない機種が多いようです。
~対策② シャッタースピードを遅くする~
フリッカー低減機能がないカメラで、
フリッカーの影響を防ぐには、
「シャッタースピードを遅くすること」
が一番の対策になります (`・ω・´)b
電灯の点滅速度が100Hz程度なので、
1/100 secよりも遅いシャッタースピード、
例えば1/50 secや1/25 secであれば、
フリッカーの影響は受けないことになります。
~まとめ!~
・多くの人工光源は点滅しており、これをフリッカーと呼びます。
・フリッカーはおよそ100-120Hz周期なので、高速シャッターの場合、タイミングによっては期待していた露出が得られない場合があります。
・その場合の対策として、
① カメラのフリッカー低減機能を使用
② シャッタースピードを1/100 sec以下に設定
という方法で、フリッカーの影響を回避できます!
~おわりに~
イルミネーション以外でもいろんなところで影響のあるフリッカー現象。
電光に依存した室内環境では常にリスクがあります💦
簡単に言えば、「そういう場所では不用意に高速シャッターを切ると、思いの外、暗く写ることがあるので気をつけましょう」という記事でした ( ̄▽ ̄)b
それではまた、よろしくお願いします m(_ _)m
<======================>
~おまけ (ややマニアック)~
おまけとして、白熱灯・蛍光灯・LEDの違いについても簡単にまとめてみます。
私たちの身の回りにある代表的な3種類の灯りです。
興味のある方は読んでやって下さい ^^
(1) 白熱灯
俗にいう「電球」です。これはフィラメント (材質はタングステンが主流) に電気を通して、その摩擦で熱と光を発生させます。常時発熱+発光しているのでフリッカーは基本的に目立ちません。
※ただ、それでも「明るさの周期的なゆらぎ」はあるので電子シャッターの場合、明暗が縞模様のように映る可能性はあります。
※wikipediaから引用
ただし、フリッカーは発生しにくいかもしれませんが、省エネ的観点で見ると非常に不利です。しかもフィラメントの寿命が短いので、交換回数も多くなります。
(2) 蛍光灯
ガラス管の中にアルゴンガスと、少量の水銀ガスが封入されています。その内壁には蛍光体が塗布されています。フィラメントという電線の代わりに、アルゴンガスに電子を流し、水銀と衝突させてエネルギーを発生し蛍光塗料が発光することで光ります。
電流を流すたびに水銀ガスと衝突させて発光を繰り返す仕組みなので、フリッカーの影響も目立ちます。
※wikipediaから引用
(3) LED (light emitting diode)
電子を流すところは蛍光灯と同じですが、衝突させるものが違います。水銀ガスではなく、この電子を安定させる正孔という「穴」に衝突させます。すると電子は正孔という穴にハマって、安定化します。その時に発生するエネルギーを利用して発光しているようです。
難しいですね💦
※参考:http://www2.panasonic.biz/es/lighting/led/led/principle/
難しいですが、LEDは現在最も普及している光源で、ほとんどのイルミネーションもLED光源です。
そんなLEDでも蛍光灯と同様に電子を周期的に流すことに変わりはありませんので、フリッカーは発生します。
実際、今日最初の写真でもイルミネーションでフリッカー発生していましたもんね ^^;
(4) 備考
ただ、フリッカー現象は全ての蛍光灯やLEDで発生するわけではありません _φ(・_・
例えば、AC-DCコンバータという交流を直流電流に変更する機構を採用した製品はフリッカーは発生しなくなります💡
また、LEDでも蛍光灯でも、インバータといい、電源から来る50-60Hzの交流を7000Hzなど更に高周波に変更して使用するタイプでは、理屈的に考えてフリッカー現象は発生しなくなるでしょう。
このように、蛍光灯やLEDでもフリッカー現象を発生しない、もしくは極めて発生しにくいタイプもあると言えます。
ただ、この辺りの解説はフォト検勉強中に身につけた知識なので、もし私が勘違いしている点がありましたらコメントで御指摘くだされば幸甚です m(_ _)m💦
ですが、フリッカー対策として、
① カメラのフリッカー低減機能を使用
② シャッタースピードを1/100 sec以下に設定
という方法が有効なのはマジです ^^b
~おまけのおまけ~
電子シャッターとフリッカーの関係もまとめてみたので、興味のある方はどうぞ♪
さっきも書きましたが、イルミネーションも点滅していますのでフリッカーの影響は受けやすいのでご注意くださいませ m(_ _)m
ということで本日の記事は終了です!
また次回、お会いしましょう♪