こんにちは、Circulation - Cameraです。
みなさまは朝活されていますか!?
古来より「早起きは三文の徳」というように、朝早起きして撮影すれば、新陳代謝も活発になりダイエット効果もありお肌にも良く便秘も解消し、、、たりはしないかもしれませんが、寝ていたら見過ごしてしまう美しい景色に出会えるかもしれませんよ ^^
ただ、そんな美しい景色も、撮り方のノウハウを知らないと意外とうまくいかないかもしれません (-_-;)
というか、そういう経験ありませんか??
「なんか思ったよりうまく撮れなかった…」
って家帰ってから悶々としたり。。。
それには何か理由があるはず!
結論としては「光のダイナミックな変化」が最大の理由だと自分は思っているのですが、それ以外の要素にも目を向けて、
「朝焼けを慌てず失敗せず撮影する方法!」
そんなテーマで記事を書いてみました ^^
6000字近い長い記事になってしまいましたが、興味のある方は時間のある時に読んでやって下さいませ💦
それではよろしくお願いします m(_ _)m
~イメージする写真は?~
朝焼け写真って言ってもいろいろとバリエーションがあります。話を始める前に、まず「朝焼け写真」のイメージを共有しておきましょう。朝になると東の空はだんだんと明るくなってきます。
時が経つにつれ、どんどん明るくなっていきます。また、夜の青っぽい感じは消えていき、環境は赤みを帯びてきます。
そして日が昇ってくるという感じです。モルゲンロート狙いなど意図的に順光で撮影する場合を除き、朝焼け撮影は日が昇ると突然強烈な逆光条件になります。
このように時々刻々と明るさも色合いも変化するダイナミックな時間帯です。
なので、今日はこれらの変化に対して慌てずに済むようにいろいろと事前準備をしていきましょう ^^
~何時ごろに到着すればいいの?~
ちょっと待って下さい。その前に朝焼けを見るって具体的に何時に到着すればいいのでしょうか?
これについてはこれを覚えていてくれればOKです!
「日の出の1時間前から空は明るくなり始める!」
すなわち、夜明け前のグラデーションを撮影するのでしたら、1時間前を目安に行きましょう。
もちろん、日の出だけを撮影するのであれば日の出の時間ギリギリでも大丈夫です。
※ただし、有名なスポットだと結構三脚でいっぱいだったりしますのでご注意ください。
~朝日は何時に昇るの?~
これは逆に言えば絶対に事前に調べなければなりません ^^;
御存じの通り夏は早い時間・冬は遅い時間に日が昇るのですが、正確な時間を知るために私がお勧めなのはこのページです。「日の出 方向」でググると最初に出てきます。
実際にページに入ると日の出時刻と日の出の方向 (日の入り時刻方向も) 分かります。
これを使えば、日の出の時間も方向も分かるのでめちゃくちゃ有利になります。
現場に行って「ところでどの方向から日は昇るのかな?」って困るのは初心者あるあるですから、事前に方角もしっかり調べておきましょう ^^
~どんな天気がおすすめ?~
朝焼けを撮るのでしたら、もちろん晴れであることに越したことはありません。ただ、朝日は当然ですが地平線から昇ります。遠くの地平線に雲がかかっていると日の出の瞬間は見ることができません。これは多少運によるんじゃないかなと思います。
逆に星撮影と違って多少雲が出ていた方が、空に表情が出て面白いです。なので、快晴予報でなくても行ってみる価値はあったりもするんですよね。
ただ、あまりにガッツリ曇っていると結局朝焼けは見れませんので、晴れの日に行く方が無難は無難です。的確な答えを持ち合わせていなくて恐縮です m(_ _)m
しかし、晴れや曇り以外に、風には要注意です💦
波打ち際では波しぶきや砂埃が舞って撮影どころではなくなることもあります。覚悟して行く分には良いですが、事前に強風注意報が出ているような日は、出撃するかどうかGPVなどでよく検討しておきましょう。
~三脚は必要か?~
次は持っていく機材に話を移しましょう。極端な話、朝焼けはスマホカメラでも撮影できますが、ここではデジタル一眼レフやミラーレスなどで撮影する前提で話を進めていきます。
まず三脚の必要性ですが、あった方が便利だと考えます。理由は大きく2つ挙げられます。1つ目は単純に光量不足です。先ほど申し上げましたように日の出時刻の1時間くらい前からだんだんと空は色付きますが、まだ手元が見えないくらい暗いです (-_-;)
※なので懐中電灯やヘッドライトは必須です。
下の写真は手元が十分確認できるくらい明るくなってから撮影しましたが、ISO 100, F16でSS 3 secという設定です。言い換えればISO 1600, F 4にすればSS 1/50 secくらいで撮影できることになりますが、やはり三脚があった方が有利は有利です。
もちろん、日の出がさらに近づけばだいぶ明るくなってISO感度を上げなくても手持ち撮影可能になってきます。しかし、2つめの理由は逆光にあります。後述するのですが、日が昇ると急激に逆光条件になります。そのため、風景と空の明暗差が激しくなり、両方のディテールを描写するにはハーフNDフィルターを使用するかHDR合成や露出ブレンドといった後処理が必要です。いずれの方法でも三脚を使用した方が撮りやすいのではないかと思います。
ということで三脚はあると便利です。逆にこれらを分かったうえで手持ちで挑戦するのは全然良いとは思います。実際、私も途中から手持ちに切り替えて撮影することもありますよ♪
~どんなカメラやレンズがいいの?~
基本的にはカメラやレンズは割と何でもいいと思います。敢えて開放で撮影する必要が無い場面だと思いますので明るい単焦点ではなく一般的なズームレンズで事足りると思います。
あとは撮りたい写真のイメージによって焦点距離を選べばいいのですが、1つ留意していただきたいことは「太陽は案外小さい」ということです。
こんな風に太陽を大きく写そうと思うと望遠レンズが必要です。この写真は70-200mmのズームレンズで撮影しています。基本的なことですが「風景=広角」ではありませんので、この点に関しては要注意です。
~でも防寒対策が最も重要!?~
どれだけ機材を丹念に用意しようとも、集中して撮影できなくては意味がありません。暑くて撮影できないということは、少なくとも日本では稀だと思います。むしろ寒さが問題でして、あなたのカメラが氷点下10度で作動すると保証されていても、自分が耐えられなくては意味がありません (笑)
しかも、朝は特に人間の体温が最も下がる時間帯です。
厚着することはもちろん、耳や指先をきちんと守りましょう。特に足先は冷えると撮影どころではありませんから、ブーツや厚手の靴下を使用した方が良いです。
そして機材もすぐに冷えてしまいます。機材を外に出しっぱなしにしておくと結露したりレンズにゴミが付きますので、使わないときにはバッグにしまうようにしましょう。電池の消耗も激しいので充電もしっかりしてくることをお忘れなく!
~ここまでのまとめ!~
さて、ここまでをまとめておきます ^^
まずは現地の情報を十分に仕入れておきましょう。
① 日の出の時刻
※日の出の1時間くらい前から明るくなります
② 日の出の方向
③ 現地のおおよその天気も風の状態
④ 特別なレンズやボディは必要ありませんが、三脚はあった方が便利だと思います。暗いうちから撮影するならヘッドライトや懐中電灯が必要です。また、防寒対策はめちゃくちゃ大事であります!
~【カメラ設定 (1)】日の出前~
さぁ、準備が終わったところで、いよいよ実際の設定についてみていきましょう ^^b
まずは日の出前の時間帯の設定について考えます。空のグラデーションがとてもきれいな時間帯ですね♪
しかし、この時間帯は光量が少なく手元すらまともに見えない時間帯でもあります。そして大抵寒いです。なのでまずは注意して三脚を組み立てたりカメラをセットして下さい。
さて、空が仄かに色づくくらいの時間帯はISO 100, F8で撮影するのでしたら、30秒近いSSが必要になります。その後、(晴れている前提で話を進めますが) 目安としては日の出時刻の20分前くらいには手元が肉眼ではっきり分かるようになり、その頃には1~5秒のSSでOKになります。
ここではどんどん環境が明るくなっていきますので白飛びに注意しましょう。「なんだか全体に白っぽくて空のグラデーションが出ないなぁ」という場合は要注意です。設定が明るすぎるのかもしれませんよ!
また、ホワイトバランスですが、あとでRAWで調整することもできますが、個人的には最初のころは「ブルーアワー」と言われるくらい青が綺麗な時間帯なので蛍光灯くらいにしておくことが多いです。
そして明るくなってきたらホワイトバランスを日中に変更しています。とりあえず、ずっとホワイトバランスを蛍光灯にしておくと青被りしたような写真になってしまうのでお気を付けください。これも案外しやすいミスです ^^;
※RAWで撮影しているのならホワイトバランスオートで撮って後で調整でも問題ありませんけどね。
~補足:水とシャッタースピード~
若干限定された条件のお話ですが、波打ち際で撮影する場合、下の写真のように波に動きを出したい場面もあるかもしれません。
波打ち際や滝など、動く水を撮影するときにSSと水の映り方の関係を知っていると便利であります。あくまで持論ですが、私は下のようなイメージで普段撮影しています。
- SS 1/100 sec未満 → 水は静止して映る
- SS 1/10 sec ~ 5 sec → 滑らかに映る
- SS 10 sec以上 → 水はシルク状に映る
一方、先ほども出した図ですが、時間帯とSSとの関係性は下のような感じです。
つまり何が言いたいかというと、朝日が昇ってくる直前くらいにはISO 100, F 8くらいだとSS 1/50 secくらいにしないと露出オーバーです。なので、波に動きを出しつつシルク状に写したい (SS 1 sec以上にしたい) のでしたらNDフィルターが必要になりますから持ってきましょう。
~【カメラ設定 (2)】日の出後~
ちょっと脱線気味でしたが、日の出前の撮影条件に関してはこれで終了!
次は実際に日が昇ってきてからについて考えます。
この時間帯になると環境はかなり明るくなっており、低いISO感度でも手持ちで十分に撮影できる光量を得られます。この時間帯で最も重要なのは「突然の逆光に対応できるか!?」です。
地面と空の間に突然大きな露出差ができるので予めそれを計算に入れてないと、妙に暗い写真や明るい写真しか撮れなくて大慌てになってしまいます💦
(`・ω・´) < 経験者は語る!
ということでいくつか対策を考えてみます!
<対策 ①> ハーフNDフィルター
アナログな対処法ですが、このように半分がNDフィルターになっている板を使用して太陽や空を覆ってあげる方法は、ゴーストには要注意ですがかなり有効です。
<対策 ②> HDR合成
作例が無くて恐縮ですが、空がはっきり見えるように露出調整した写真と地上景がはっきり見えるように露出調整した写真をフォトショップや専用ソフトを使用して重ねて明暗差を減らす方法です。
※露出ブレンド
<対策 ③> RAW現像で後から立ち上げる
完全に白飛びや黒潰れしていなければ後からRAW現像で立ち上げることも可能です。
参考までに自分の経験上、地面に露出を合わせると空のディテールは余裕でぶっ飛ぶので、自分は空にある程度露出を合わせてあまりに地上が黒潰れしていないか確認しながら撮影しています。
<対策 ④> 構図で頑張る
例えばですが、敢えて地上は黒潰れしてもいいような構図を考えるというやり方はありだと思います。下の写真の場合、山の輪郭さえ分かれば、細かい山肌の様子は無視しても写真として成立してくれると思います。むしろ多少黒潰れした方がすっきりするかもしれません。
また、敢えて空を構図に入れないことで明暗差を避けるというのも手ですよね。
以上4つの対策を提示させて頂きました。少なくともいずれかを念頭に置いておかないと、突然の逆光に混乱して、せっかく早起きして待ちに待った日の出がうまく撮れなくて残念な撮影になってしまいますし (`・ω・´)💦
実際、自分も含めですが、そういう経験をしている方も多いのではないでしょうか。
この記事はそういう事態への対策になってくれることを切に願いつつ、まとめに入らせていただきます m(_ _)m
~まとめ~
まずは現地の情報を十分に仕入れておきましょう。
(1) 日の出の時刻
(2) 日の出の方向
(3) 現地のおおよその天気も風の状態
(4) 特別なレンズやボディは必要ありませんが、三脚はあった方が便利だと思います。暗いうちから撮影するならヘッドライトや懐中電灯が必要です。また、防寒対策はめちゃくちゃ大事であります!
(5) 日の出前は空のグラデーションが綺麗な時間帯です。はじめは光量は少ないのですが時々刻々と明るくなってくるので白飛びなどに注意しましょう。
(6) 日の出後は強烈な逆光にいかに立ち向かうかが問題です。対策として以下のような方法があると思いますので参考にしてください m(_ _)m
<対策 ①> ハーフNDを使用する
<対策 ②> HDR合成をする
<対策 ③> RAW現像で後から立ち上げる
<対策 ④> 構図で頑張る
~おわりに~
ということで、本日は「朝焼けを慌てず失敗せず撮影するための方法!」というテーマで記事をまとめてみました ^^
ひとことで「朝焼け写真」といってもいろいろあるのは承知していますが、撮影時に多くの方がつまずく理由は、ダイナミックな光の状態の変化にあると思います。
これに対する心構えや対策を事前にしておけば、慌てずより快適な朝活を楽しめることと思い、この記事を書いてみました♪
最後になりますが、何か御指摘やご不明な点がございましたらコメントまでお願いします。それでは今日はここで失礼いたします m(_ _)m
~関連リンク~
最近撮った朝焼け写真です。ハーフNDフィルターが良い仕事をしてくれました ^^
ちなみにピント合わせは三脚を使用するならばっちりマニュアルで合わせましょう。参考になりそうな記事を2つほど♪