Circulation - Camera

巡る季節を写真に残す! ~Since 2017-05-01~

【カメラの豆知識】シャッタースピードとミラーショックの関係を検証してみたところ・・・

こんにちは、Circulation - Cameraです。

今回のお題はミラーショックです。

聞いたことありますでしょうか?

まずはミラーショックの説明からいきますね~。

 

~前置き~

風景写真において解像感というのは非常に重要なものです。解像感とは何ぞやという話は長くなりますので割愛しますが、風景写真好きの場合、解像感を出すために機材としては高画素機やローパスフィルターレス機が好む方が多いように思います。そして設定ですが、ISO感度をなるべく下げて、絞りも絞りたいだけ絞って、結果シャッタースピード (以下、SS) がいくつになってもかまわないように三脚を使用することも多いです。

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例えばこの撮影では、ISO 100, F 8.0でSS 1.0 secが必要でした。

しかし、なんとわざわざ三脚を使用していてもブレが発生することがあるといいます。

Σ(・□・;) < なんてこったい!

その原因の一つが今回のお題、ミラーショックです。

 

ミラーショックの原理~

一眼レフ機はクイックリターンミラーが撮像素子の前に装着されておりレンズを通過してきた光はここで反射し、ペンタプリズム内で反射してファインダーに導かれます。ファインダーを覗いているときにはこれで良いですが、撮影するときにもミラーがここにあっては (トランスルーセントミラーでもなければ) 撮像素子に光が当たらなくて困ります。なので、シャッターボタンを押すとミラーが跳ね上がって光が撮像素子に当たるようになります。図示するとこんな感じです。

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ピンときましたか!?

そうなんです。

このミラーが跳ね上がった衝撃で画像がブレることを「ミラーショックと呼びます。

 

 

~SSとミラーショック

このミラーショックという現象はSSと関連があると言われています。一般に、SS 1/50 sec前後で生じやすいと言われています。SS 1/1000 secなどSSが充分に速ければミラーショックの影響を受ける前に撮影が完了しますし、SS 5.0 secなど充分に遅ければ撮っている間にミラーの動きで生じた振動が収まっちゃいますので影響を受けにくいという理屈です。

 

~SS以外の因子~

SS以外にミラーショックに影響する因子として、カメラの画素数が挙げられます。高画素機ほど同じ大きさのブレでも等倍で鑑賞したときに目立ちつということですね。また、焦点距離も影響があるとされており、広角よりも望遠系レンズの方がミラーショックの影響を受けやすいとされています。

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~対策~

なので一眼レフで風景撮影をしている自分はミラーショックの影響を受けないように、三脚にカメラを固定して撮影できる場面でしたら必ずライブビューモードで撮影しています。ライブビューモードでしたら既にミラーが上がっている状態なのでミラーショックの影響を受けないはずですからね。

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あとはミラーアップ機能露出ディレイモードのような各社がカメラに搭載しているミラーショック低減機能を使用することは対策になります。そしてSS 1/50 sec前後で生じやすいというなら、それを外したSSで撮影すれば良さそうですよね。

※ちなみに、そもそもミラーレス機なら発生しません。 

 

  

~で、本当に影響あるの?~

とまぁ、ミラーショックに関して意識して撮影をしてはいるのですが、11年間一眼レフを使いながらも実際に検証したことないんですよね ^^;

ということで今回、実際にどのくらい影響があるのか調べに行ってきました。特にミラーショックが発生しやすいSSと発生しにくいとされるSSでどれだけ違うのか存分に味わってやろうと思い、実験してきました ( ̄▽ ̄)b

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~実際に試してみた~

今回はSS 1/50 sec付近のミラーショックが影響しやすいとされている場合と、SS 1/800 secなどのミラーショックが影響しにくいという場合とを比較してみました。SSはNDフィルターを使用すること調整しました。

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SSを調整するためにISO感度F値を動かすと画質に影響しますのでNDフィルターを使用。

また、手振れの影響がないように三脚にカメラ (NIKONの高画素一眼レフ機:D850) を固定して撮影しました。ピントはライブビュー・マニュアル操作で追い込みますが撮影するときには、当然ですが、ライブビューはoffしますしミラーアップ (後述) はしておりません。

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※機材の手振れ補正機能も念のためoffにしています。

 

 

~結果~

ではまずこちらで調べてみましょう。

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D850にAF-S NIKKOR 70-200mm f/4G ED VRをマウントして焦点距離 70 mmに合わせました。ISO 320, F 11に設定。

・SS 1/50 sec

・SS 1/800 sec

の2パターンを撮影してみました。

 

【① 中央部拡大】

<SS 1/50 sec>

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<SS 1/800 sec>

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【② 周辺拡大】

<SS 1/50 sec>

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<SS 1/800 sec>

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(`・ω・´) < わからん!!

あっれ~??

全く違いが分かりません。

もう一か所、こんな写真ではどうでしょう?

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今度は焦点距離200mm、ISO 100, F 8.0で撮影しています。

<SS 1/50 sec>

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<SS 1/800 sec>

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やはりよく分かりませんねぇ。もしも格付けランキングで出題されたら100%違いがわからない自信があります ( ̄▽ ̄;)

先に御話しした通り、もちろんライブビューは切っていますよ。でもあまり違いが分からない。これは意外な結果でした。D850は有効画素数4750万画素ですからミラーショックの影響を受けやすいはずなんですが。

ちなみに広角でも確認しましたが、やはり全く違いは分かりませんでした。。。

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D850にAF-S NIKKOR 24-70mm f2.8E ED VRをマウントして焦点距離24mmで撮影してみました。

<SS 1/25 sec>

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<SS 1/320 sec>

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~考察~

何故今回の実験ではミラーショックの影響がはっきりしなかったのでしょうか。

(1) D850という機種の特性?

新しい機種ほどミラーショックが起こりにくいという話を耳にしたことがあります。なのでD850は高画素機ですがミラーショックの影響が起こりにくい機構が施されているのかもしれません (ミラーバランサ?)。

それならミラーアップ機能は要らないような気もしますが、無いと顧客からブーイングされちゃうからついているのかな ( ̄▽ ̄;)

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ダイヤルをここに合わせるとミラーアップモードになります、D850は。

ちなみにミラーアップ機能というのは、onにするとシャッターボタンを1回押すとミラーが上がって、もう一回押すと撮影される機能です。これでミラーショックの影響を無くすというわけですな。

(2) 別のブレが影響している可能性?

ミラーショック以外にシャッターショックという現象があります。これはフォーカルプレーンシャッターの先幕が降りてきたショックで微妙に画像がブレるというものです。今回は電子先幕シャッターを使用しなかったので、この影響が支配的で、ミラーショックの影響がはっきりしなかったという可能性はあるかも?

けど、等倍にしても充分解像しているように思いますけどねぇ。ちなみに環境は無風に近い条件でリモートレリーズを使用しましたから、もうシャッターショック以外にブレが生じる理由は無いと思います。

(3) ライブビュー撮影と比較していない

実はSS 1/800 secでもSS 1/50 secでもミラーショックは発生していて分からないという可能性はどうでしょう?まずそんなことは無いと思いますけど、ライブビューバージョンも撮っておけばよかったです。

そんなことしなくてもはっきりと違いが出るものとばかり思っていましたから横着しちゃいました ^^;

 

 

~おわりに~

ということで今回の検証ではSSの変化によるミラーショックの影響を存分に味わうことができませんでした。意外な結果でした。

今後ですが、

① 別の機種でも試す

② ライブビューで撮影したものとも比較する

③ 電子先幕もonにしたものとも比較する

といった追試検証をしてみようと思います。ただ、もし読者の方で「こういう理由なんじゃないの??」っていう突っ込みがございましたらコメント欄にお願いします。

すごく単純な見落としをしてたら恥ずかしいですが ( ̄▽ ̄;)

いやぁ、なんだかすっきりしない終わり方になってしまって申し訳ございません。もうちょっと検証してご報告したいと思います!

それでは今回はここで失礼します m(_ _)m