Circulation - Camera

巡る季節を写真に残す! ~Since 2017-05-01~

カメラの豆知識 〜マクロレンズと実効F値〜

こんにちは、Circulation - Cameraです!

唐突ですが、みなさま、マクロ撮影をしたことありますか?

奥の深い分野で、自分はまだ経験が浅い分野です💦

ですが、時々撮影してみると、普段と違う世界を覗くことができて、とても楽しいものでもあります ^^b

DSC_7737

さて、このマクロ撮影を勉強していると、

「実効F値という言葉が出てきます。

被写体に近づくとF値が変化する!?

こんな現象、聞いたことありますか?

(`・ω・´)??

今日はこの実効F値について解説致します💡

文字数は多くない記事ですが、ちょっと小難しい話なので、興味のある方はお時間のございます時に、是非💦

 それではよろしくお願いします m(_ _)m

 

〜マクロ撮影ではF値が変化する!〜

結論から申し上げますと、マクロ撮影では、

本来のF値よりも実質的なF値は大きくなります

 

この原因はマクロ撮影ではレンズ全体が繰り出されるからであります。

( ..)φメモメモ 

f:id:tatsumo77:20180216082257j:plain

f:id:tatsumo77:20180216082420j:plain

※最近のレンズはレンズ長が変わらないように設計されていたりしますが、レンズ内ではこのようなことが起こっています。

 

さて、レンズが繰り出されるとどうなるか?

ここでは撮像素子 (やフィルム) の立場になって考えてみてくださいね💡

レンズが繰り出されると、撮像素子から絞りが離れます。

すると撮像素子からの景色はどう変化しますか?

絞りが小さく見えるようになりますよね!?

f:id:tatsumo77:20180216082914j:plain

 

つまりこれは言い換えると?

F値は絞りの大きさを反映するのだから…

そう、実質的にF値が変化したことになります💡

例えば、F2.8で撮影しようとしたしても、被写体に寄っていくと、実質的なF値は4.0や5.6のように大きな値になっていくのです!

f:id:tatsumo77:20180216083158j:plain

この実質的な F値のことを専門用語で、

「実効F値と呼ぶわけです! 

これが今日のお話のほぼ全てであります ^^b

 

 

 

〜ここまでのまとめ〜

・マクロ撮影ではレンズが繰り出されます

・その結果、撮像素子から見た絞りは小さくなります

・この実質的なF値実効F値と言います。

 

 

〜実験〜

「え〜?被写体に寄っただけで暗くなるなんて本当??」

という方の為に実験いたしました (笑)

F2.8, ISO 100, SS 1/6 secに固定して、同じマクロレンズで撮影。

DSC_3813

DSC_3814

ね?

被写体に寄ると暗くなりましたでしょ?

d( ̄  ̄)

 

※ちなみに、実効F値が変化した分、SSを長くしたら下のようになります。

ISO 100, F 2.8, SS 1/6 sec → 1/3 sec

DSC_3815

 

 

〜実際のところあまり影響なし!?〜

しかし、こんな露骨な現象なのに、

マクロレンズを使用したことのある人も

案外気にしたことがないかもしれません。

なぜでしょうか??

これには2つの理由があると思います。

TTL測光が基本的な測光方法であるから

・デジカメは取り直しが何回でもできるから

それぞれ解説してみたいと思います ^^b

 

(1) TTL測光

TTLThrough The Lensの頭文字です。

ですからTTL測光は、

「レンズを通ってきた光で測光します」

と言う意味です💡

TTL測光はほぼ全てのカメラで採用されている測光方法です。

 

 

この場合、カメラが実効F値を考慮して

自動で明るさを調整してくれるので、

撮影者は気にする必要がなくなります。

 

例として、絞り優先でF2.8で設定した場合を図示してみましたのでご覧ください。

f:id:tatsumo77:20180216090143j:plain

 

対比すると分かりやすいと思いますので、 

マニュアル一発撮りの場合も考えてみます💡

この場合、実効F値も考慮する必要があります。

こちらも図示してみましょう。

f:id:tatsumo77:20180216090302j:plain

 

 

(2) 取り直し自由

ですが、マニュアル撮影をするにしても、こういった思考プロセスをすることは滅多にありませんよね。

なぜなら、実際のところ、デジカメならすぐに背面液晶で確認して、暗ければ撮り直せますので ^^;

また、多少暗くても現像の段階で調整できますしね。

 

ということで、

TTL測光が主流であること

・デジカメは取り直し自由であること

以上の理由から、実効F値はそれほど現実の撮影に影響してこないと推察いたします💡

 

 

NIKON機の表記〜

このように、実効F値を計算しなくてはいけない場面はほとんど無いと言っていいでしょう。下手したら一生関わることのない数字かもしれません (笑)

しかし!!

NIKONユーザーは別です!

Σ(・□・;)

NIKONデジイチは、マクロレンズ (NIKONの場合、マイクロレンズって言いますよね) を使用すると絞り優先モードでも、勝手にF値が変化します

故障かな?

って思うかもしれませんが、これは実効F値を表示しているのです。

 

~実験!~

実際に試してみましょう。

絞り優先モード、すなわち、F値固定にして撮影します。

F値固定なので、当然F値は自動的には変化しないはずですよね?

<遠距離>

f:id:tatsumo77:20180216091740j:plain

<近距離>

f:id:tatsumo77:20180216091950j:plain

 

このように実効F値が表示されるので、

F値が勝手に大きくなってしまうのです!

 

パッと見は故障みたいですよね (笑)

初心者泣かせな機能であります ^^;

でも、今日の記事を読んで下さればカラクリがわかっていただけたかと思います ^^b

 

 

〜まとめ!〜 

・マクロ撮影ではレンズが繰り出されます

・結果、撮像素子から見た絞りは小さくなる

・この実質的なF値実効F値と言います。

・しかし、近年のカメラはTTL測光を採用していることなどから、実効F値は知らなくても撮影はできてしまう概念であったりもします。

・ただ、NIKON機の場合、実効F値が表記されるので、身近な数値です。

 

 

〜終わりに〜

ということで本日はマクロ撮影における実効F値という概念について解説してみました。不明な点や私が勘違いしている点がございましたら、コメント欄に御指摘いただければ幸いです。

それでは今日はここで失礼します m(_ _)m

またどうぞよろしくお願いします!

DSC_7737

 

〜おまけ〜

一応、実効F値の計算式を掲載しておきます。

実効F値 = 設定したF値 × (1 + (撮影倍率))

例を挙げますと、F2.8で等倍撮影した場合、

実効F値 = 2.8 × (1 + 1) = 5.6

また、F4.0で1/2倍マクロ撮影したとすると、

実効F値 = 4.0 × (1 + 1/2) = 6.0

以上のようになります💡 

ただし、これはあくまで計算であり、実際のレンズは構成を工夫し、もう少し明るくなるものもあります。

 

〜関連リンク〜

マクロレンズについてもっと深掘りでございます!

tatsumo77.hatenablog.com