前回ゆるい記事をはさんで、今回は「収差」の話です💡
画質の良し悪しを議論する際に必ず出てくる用語ですね。
今回はこれについてまとめようと思った・・・
のですが、きちんと既にまとめてあるサイトがいっぱいあるんですね^^;
逆に読んでいて勉強になったくらいです、はい。
早速皆さんも「収差 カメラ」でググりましょう♪
詳細はそちらをご覧ください m(_ _)m
・・・投げやり!
これではさすがに投げやりです。
ちなみに投げやりは漢字で投げ遣りと書くみたいですよ。「これ欲しいの?いいよ遣るよ」の遣るです。
脱線しました。
さて、せっかく記事にすると予告したのですから簡単にさらっとまとめて見ます💡
フォトマスター検定でも毎年出題されますしね、収差。
(1) 収差ってそもそも何?
収差とは簡単に言えば画像のにじみ・ゆがみです。
レンズというガラスの球面を通って、撮像素子 (センサー) という平面に光を当てることで生じる「歪 (ひずみ)」と考えてください。
光がセンサーの一点に収まる際に生じる差、だから「収差」だと解釈しています。
(2) 収差には大きく分けて2種類ある。
<1つ目は、単色収差>
光はレンズという「ガラスの球面」を通ります。その際に球面であるが故に生じる収差がこれです。これには5種類ありますので次の項で紹介しますね (ザイデル5収差といいます)。
<2つ目は、色収差>
一方で光はいくつもの色 (=いくつもの波長の光) が混ざっているので波長の違いで生じる収差がもう一つです。
※ピンと来ない方は色収差はプリズムをイメージしてください。プリズムガラスを通ると色別に光が分かれますよね。ガラスという屈折率の異なる物質に侵入すると、光が色ごとにバラバラな軌道を通ってしまうのです。
引用:http://lasers.jp/laserquest/?p=135
(3) 単色収差はザイデル5収差に分類されます。
① 球面収差 (イメージ) ・→ ●
② コマ収差 (イメージ) ・→ φ
③ 非点収差 (イメージ) ・→ 0
この3つは点が点として写らないタイプの収差です。
①は星が滲んでしまい、②は星が変な尾を引いてしまい、③は星がニョキって楕円形に写ってしまいます。
この3つを示した画像がありますから見てみてください。どれがどの収差か分かりますでしょうか?
~理想 (収差なし)~
~収差あり~
引用:http://av.jpn.support.panasonic.com/support/dsc/knowhow/knowhow15.html
※正解は上から「球面収差、コマ収差、非点収差」です。
こんなのが出ると星の撮影や夜景撮影の天敵になることは想像に難くないと思います。
これは昔撮影した星景写真です。5年近く前です。解像感もピントもなにもかも甘くて残念です。しかも収差も激しく出ていますねぇ。。。
左上を拡大すると星の周囲にムワっとして影があり点状にも線状にもなっていないのがわかると思います。
④ 像面湾曲
レンズという球面故に画面の中央にピントを合わせると周辺が、周辺にピントを合わせると中央のピントが合わなくなることを指します。
<Point!>
①~④は全て絞る (撮影時のf値を大きくする) ことで改善されるのが特徴です!絞った方が画質が良くなるという理由の一つなわけです。
⑤ 歪曲収差
よく樽型とか糸巻き型と言われる収差です。ディストーションとも言いますね。
※両方出るのは軸笠収差といいます。
下の絵をご覧ください。
これは経験というか実感したことがある方も多いかもしれませんね。
~樽型~
広角レンズでよく見かけるディストーションです。
~糸巻き型~
望遠レンズでよく目にするディストーションです。
引用:http://av.jpn.support.panasonic.com/support/dsc/knowhow/knowhow15.html
<Point!>
これは絞っても解消されません。ディストーションはそのレンズの特性なのです。
(4) 一方で色収差には2種類あります。
色収差はこんな風に現れます。
※画像はWikipediaから引用しました。
線がきちんと解像していなくて色が滲んで見えます。同じ収差でも単色収差とはちょっと毛色が違いますよね?
レンズにまっすぐ入って来る光がプリズムの理屈で光ごとにばらけてしまい像面が滲む収差を「軸上色収差」といいます。
一方でレンズに斜めに入って来る光がばらけてしまい像面が滲む収差を「倍率色収差」といいます。
なぜ別々に考えるかというと、「軸上色収差」は絞ったら解消されますが、「倍率色収差」は絞っても解消されないというのがあります。
そのため「倍率色収差」を減ずるためにはガラスの質やコーティング技術で減じているようです。
※余談ですが色収差はモノクロ写真でも画質の低下として反映される。
~最後に~
こんなところです。なるべく短くまとめてみましたがどうでしょうか?
レンズってたくさんのレンズが集まってできていますよね (変な言い方ですが^^;)
こうすることで収差を生じにくくしているわけです💡
そして、収差はそこかしこで耳にする「レンズは絞った方が画質が良くなる」という根拠でもあるわけです。
ちなみに、「メガネってレンズですが収差ってどうなの?」って思いません?
これは瞳孔という絞りが絞られているから収差を感じないのです!
※絞りで解消されない歪曲収差や倍率色収差は残るのですがレンズ自体の形状やコーティングを工夫し目立たなくしているらしいですよ♫
ところで記事をupする前に読み直してみて流石にブログに初めて掲載する星景写真があれでは、個人的に悲しいのでちゃんと前景にピントの合ったのもupさせて下さい。
すいません_(._.)_
まあ、これも良く見るとそこそこ収差出てますけどね!
「どこまでが自分自身で満足のいくクオリティなのか?」
写真を続けているとハードルというか閾値は少しずつ上がっていくのでしょう。
例えば、5年前の自分はあれで満足していました。
むしろ、初めて天の川が撮れた時なので感動さえしたことを覚えています!
今ではあのクオリティでは満足できませんが、あれはあれで思い出深い写真なのです。
今後も知識を取り入れて少しずつ腕を上げていきたいと思います!
久々に星撮りたいけれども関東も梅雨入りしてしまったのかな。
次回は一回ビールの話を挟みましょうか。
今後ともよろしくお願いします!