Circulation Cameraです、お疲れ様です!
今回はISO感度にまつわるお話です。
ちょっとややこしい話も出てきますが、興味のある方は読んでやって下さいm(_ _)m
昔撮った写真を見ていると、「なんでこの設定で撮ったんだろう?」というものがすごく多いです。特に私の場合、ISO感度が適当な写真が目立ちましたので記事にしてみました。
例えばこの写真、北海道の知床で4年くらい前に撮影しました。別に作品でもなんでもないただの記念撮影なのですが設定を見てみましょう (D90にて撮影)。
設定:
F 11 → 分かる
シャッタースピード (以下、SS) 1/500 sec → 分かる
ISO 400 → ??
このピーカンの中、ISO 400に設定し、わざわざ画質を落とす理由がどこにあったのでしょう^^;
~ISO感度が高いと生じる問題~
まず基本的なことですが、ISO感度を上げると何が不都合なのか確認しましょう。
・ざらつきが出る (高感度ノイズといいます)
・質感の低下
・ディテールの消失
・コントラストの低下
・ダイナミックレンジの狭小化
画質面で言えばISO感度が高くていいことは何もないと思います。
~先に結論を~
で、ここで今日一番主張したいことを書きます。
昔の自分に言ってやりたいです!
ISOは100で撮影しましょう!
ISO 100が基準です。それ以上にするのには何か理由があるときです。
そしてその理由はおうおうにして「ブレ」です。
ブレには2種類あります。手振れ、被写体振れです。
これらについてはこの記事でまとめました。
端的に言うと、手振れしないようにするにはSSを「1/(焦点距離)」以下にするのが古典的なルールです。被写体振れは被写体によるのでなんとも言えません。
ここまでをまとめてみます。
・ISOは基本的に100で撮影しましょう!
・ブレていては元も子もないので必要なSSが稼げない場合はISO感度を上げましょう!
~手振れ補正とISO感度~
少し話が変わります。
ISO感度とF値とSSの関係が頭に入っていると読みやすいと思いますので、もし時間に余裕がある方はこちらも御一読してもらえると幸甚です。
「その三角関係は良く知っているよ」という方はもちろんスキップして下さい!
さて、よく手振れ補正は3段分とか4段分とか5段分とかで表現されます。
例えばこんな感じです↓↓↓
※引用:http://www.nikon-image.com/products/lens/nikkor/af-s_nikkor_24-70mm_f28e_ed_vr/
これってどういうことなのでしょうか?
説明するために例を挙げてみます。
例えば4段分の手振れ補正の効くレンズだとしましょう。それでSS 1/10 secで撮影したとします。手振れ補正のおかげで、1/10 ÷2÷2÷2÷2 = 1/160 secで撮影したように写せるということです。4段分の場合、1/10を2で「4回」割ればいいのです。
もう一個やってみましょう。SS 1/4 secで撮影したとしましょう。普通は手振れするケースです。しかし 1/4 ÷2÷2÷2÷2 = 1/64 secで撮影したかのように写せます。
5段分だともっとすごいです。この場合、1/4 ÷2÷2÷2÷2÷2 ≒ 1/125 secです。あたかも1/125 secで撮影したのと同じくらいブレないのです!!
このように「N段分の手振れ補正」と書かれていたら、まるで「実際のSSを2でN回割ったSS」で撮影したような仕上がりになるのです。
これは実はISO感度にも大きく関係しています。
今日のメインテーマはISO感度ですからね^^;
例えば、ISO 1600, F 2.8, SS 1/50 secが手振れしない適正露出だったとします。
ここで4段分の手振れ補正レンズを使用していたとしましょう。
すると、SSはもっと下げてもいいわけですよね??
逆算するとSS 1/50 sec ×2×2×2×2 ≒ 1/4 secまで落としてもいいことになります。
では、ISO 1600, F 2.8, SS 1/50 secが適切な環境で、ISO 1600, F 2.8, SS 1/4 secで実際に撮影したらどうなりますか?
露出オーバーで真っ白になっちゃいますよね^^;
ということは??
そう、ISOが下げられるのです!
ISO 100, F 2.8, SS 1/4 secにしてもOKなのです!
実は手振れ補正の大きな利点はこれなんですよ♪
~手振れ補正で画質は良くなる!?~
私はAF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VRというレンズを所有しています。
これは2016年にリニューアルされたレンズで、先代には手振れ補正はありませんでした。
よく耳にするのがこんな意見です。
・24-70だもの。手振れ補正が必要な焦点距離じゃないよ。
・画質はそんなに先代と変わらないよ。
しかし、手振れ補正があることでISO感度が下げられるので結果的に画質が改善するのです💡
例えばこんな状況を考えてください。
薄暗い環境でISO 1600, f 2.8, SS 1/125 secが適正露出だったとしましょう。
手振れ補正で4段補正すれば、この設定をISO 200, f 4.0, SS 1/8 secなどにできます。
ISO 1600 f2.8とISO 200, f4.0では出てくる写真の画質は全然違いますよね?
ですから、物は言いようですが、「手振れ補正で画質は良くなる」とも言えるかもしれませんね( ̄▽ ̄)b
~ここまでのまとめです~
・ISOは基本的に100で撮影しましょう!
・ブレていては元も子もないので必要なSSが稼げない場合はISO感度を上げましょう!
・手振れ補正でISO感度も上げずに済むことがあります!
ふー*1
だいたい今日言いたかったことは以上です( ̄▽ ̄)
読みにくいエントリーだったかもしれません💦
最後まで読んでくださった方、うれしいです。
ありがとうございますm(_ _)m
以下はおまけなので、余力のある方は眺めてみてください。
~おまけ①~
ISO感度をカメラの設定で変えていくと拡張感度が選択できるカメラが多いです。
100未満のL03とかそういうの見たことないですか?
これは強引に感度を下げているので画質はむしろ低下します。
よほどの時以外は使用しないほうが無難です。
~おまけ②~
ISO感度はもともとフィルムの感度を示す数字です。
デジカメは撮像素子 (=センサー) のISO感度をその都度設定できますがフィルムカメラでは状況によってフィルムそのものを交換していました。
左からISO 100のフィルム、ISO 800のフィルム、ISO 400のフィルムといった具合です。
引用:http://model-ks.com/2015/09/03/camera-culture7/
ISOは「国際標準化機構」の略語で、その前はアメリカはアメリカの、ドイツはドイツの基準となる数字を持っていました。
アメリカはASA (アーサ)、ドイツはDINと呼んでいたようです。
ちなみにISO 100はDIN 21°に、ISO 200はDIN 24°に、ISO 400はDIN 27°に、ISO 800はDIN 30°にそれぞれ相当するそうです。
~おまけ③~
今回はシンプルに「ISO 100にしましょう」と書きましたが、実際に街中でスナップ撮影するときは被写体振れしないように注意が必要です。
手振れ補正は被写体振れに対しては全くの無力です。
そのため、スナップ撮影では敢えてISOを高めにしておいたり、F値とSSはマニュアルで設定にしてISOはautoにしておくこともあります。
ISOを低くしたいがために手振れ・被写体ブレしては本末転倒であることは強調しておきますね!
~おまけ④~
あるあるなミスですが環境が変わったときにISO感度を戻し忘れないように注意してください。
さっきまで室内でISO 800で撮影していて、その設定のまま風景を撮っていたとか。
前の晩、ISO 1600とかで撮影していて、その設定で次の日もしばらく気付かず撮影するとかやりがちなのは私だけでしょうか( ̄▽ ̄;)
以上、おまけでした!
最後まで目を通してくださった方、お疲れ様でした!
どうぞまたよろしくお願いします m(_ _)m m(_ _)m
*1:+_+